
診療技術,内容紹介
当教室では4つある付属病院が常に有機的な連携を保ち,何よりも患者サイドにたった診療を行っている.
- 血液
白血病をはじめとする小児悪性腫瘍の診療を行っている.治療に際しては,抗腫瘍剤による心機能の低下,免疫能の低下について客観的な評価を行いながら長期予後の改善を目指している.悪性腫瘍以外にも再生不良性貧血の免疫療法など,小児血液疾患全般の診断および治療ついて万全の態勢で臨んでいる.
- 免疫・膠原病
原発性免疫不全症や易感染患児の診断・管理を行っている.
ステロイドの副作用を最小限に抑えることを目的とした小児のSLEやJRA患者に対するQOLを重視した治療法の確立を目指している.不定愁訴を持つ学童(慢性疲労症候群)に対し,自己免疫疾患の観点からの診断,治療を試みている.
- 腎臓
急性・慢性糸球体腎炎,ネフローゼ症候群,尿路感染症,先天 性腎尿路疾患,急性・慢性腎不全の診断,治療を行っている.特に,学校検尿,先天性腎尿路疾患のマス・スクリーニングなどで発見された無症候性で異常所見を有する患児については症例数が多い.小児期の腎疾患に対する腎生検数は2,000例を超えており,これらに基づいて治療を行っている.小児保健的な面としては,学校検尿システムの管理,先天性腎尿路疾患スクリーニングを行っている.
- 循環器
付属病院における心臓カテーテル・血管造影検査は年間約150例であり,先天性心疾患が約100例,川崎病後の冠動脈障害および不整脈に対するカテーテルが約50例である.そのうち最近の循環器治療の一つであるカテーテルインターベンションが約2割を占めており,特に,小児科領域でのバルーンカテーテルによる冠動脈拡張術を積極的に行っている(写真:1歳時にPTCAを施行した川崎病罹患後の症例).
術前,術後の診断,治療を第二外科小児循環器班の医師と協同で行っている.また,小,中,高校の児童・生徒の年間約3万人の心臓検診に携わっている.
写真・1
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乳児期にPTCAを施行した症例(1歳,男児)
川崎病発症より6カ月の時点においてDOB負荷諸検査にて心筋虚血を推定される.右冠動脈(segment 1)95%狭窄(A)に対し,5Fr JudkinsカテーテルをガイディングカテーテルとしてACE on-the-wireバルーンカテーテル(2mm:6気圧,60秒)にてPTCAを施行(B).PTCA直後(C)およびPTCA施行1年後(D)においても残存狭窄は認められない. |
- 内分泌・代謝
小児糖尿病,肥満を中心とした代謝疾患,低身長症,甲状腺疾患などの内分泌疾患全般に対して,診断・治療を行っている.
- 消化器・肝臓
小児のヘリコバクタ・ピロリ感染症,胃食道逆流症,潰瘍性大腸炎,クローン病,食物アレルギー,ウイルス肝炎,肥満に伴う脂肪肝における新しい診断,治療を試みている.
- 神経
てんかん,熱性けいれんを含むけいれん性疾患を中心に,各種小児神経疾患に対して,脳波,CT,MRI,SPECTなどを用いて診断,治療を行っている.現在6400例以上の症例をフォローしている.また,筋疾患に対しても筋生検による診断を行っている.
- アレルギー
アトピー性皮膚炎,気管支喘息,食物アレルギー,慢性蕁麻疹などのアレルギー疾患および膠原病に対して,診断・治療を行っている.
- 呼吸器
気管支喘息,呼吸器感染症,先天性呼吸器疾患,睡眠時無呼吸症候群などの呼吸器疾患全般を扱っている.各種画像診断に加えて肺機能検査や気管支ファイバースコピー検査も行っている.睡眠時無呼吸症や胃食道逆流症の検査も可能である.
- 臨床遺伝
付属病院において遺伝カウンセリング,遺伝病の診断・治療,遺伝子検査を行っている.遺伝カウンセリングは各科の主治医と協力して患者や家族のニーズに対応する遺伝学的な情報を提供し患者や家族がそのニーズ・価値・予想などを理解した上で意志決定できるように補助を行っている.先天代謝異常のスクリーニング,主なリソゾーム病についての生化学的検査を行っている.遺伝子検査が患者本人や家族に有用な情報をもたらされると考えられ,また本人が希望する場合にはインフォームド・コンセントを得た上で遺伝子検査を行っている.
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