レポート 
   日本医科大学・川崎市教育委員会共催
   平成15年度日本医科大学公開講座

   「ご長寿ネットワーキングの活動と成年後見制度」

日時:2003年11月29日(土)13:30〜15:30

場所:日本医科大学第二病院 看護棟 2階 講堂

 当日は、あいにくの雨と風の悪い天気でしたので、参会者が集まるかが心配されました。ところが、開始時間には60名以上の方々が集まり、講堂がほぼ一杯という印象でした。

開会の挨拶は、主催者代表として高橋弘実行委員長が6つの講座の5番目として、今回のテーマを紹介しました。引き続き、川並先生が司会者となり本日は2つのテーマで進めることを紹介しました。

壇上の評議員 会場の様子 ほぼ満員です 成年後見人制度について説明する上田評議員
ご長寿ネットワーキング関係者の挨拶 会場の様子 成年後見人制度について説明する上田氏


第一部 ご長寿ネットワーキング

関係者が壇上に上がり、順次挨拶と活動の紹介を行いました。


高橋修和 老人病研究会会長

 当社団法人は、緒方洪庵の孫で文化勲章受賞者の緒方知三郎先生を記念した法人であるがその後老人病研究所が日本医科大学に移管され、丁度50年になります。15年前の平成2年に老人病研究所が、丸子に移ってきました。当社法人の事業として、山梨県早川町、ここは肝臓病の多い地域ですが、そこで約20年間、住民健診をしております。それに加え、昨年からご長寿ネットワーキングで地域社会との連携がスタートし、老人病の啓発が進められることは、真に喜ばしい限りです。

高橋会長と川並副会長

 左:高橋修和会長
 右:川並汪一福会長

太田成男常務理事

 超高齢社会の現在、各人が100歳までのライフプランを立てること、しかも寝たきりにならない自助努力をすることが非常に重要です。またご長寿ネットワーキング事業を益々発展させ、中原地区の皆様にお役に立ちたいと思います。


佐藤貞夫評議員(事務局長)

 約40年前、日本医科大学の奉職した際、第二病院の事務部に勤務していた時期も比較的長かったので、中原地区は馴染み深い地域です。今回、老人病研究会の事務局として、積極的にサポートを行っていきたいです。

石橋(左)・佐藤(右)両評議員
                   右:佐藤貞夫事務局長
                   左:石橋榮次小杉町内会長
石橋榮次小杉町内会長:

 当地区は、戦前(昭和12年)に医科大学の第二病院か開設されて以来、医大通りの名前のごとく、病院が町の発展に影響をもたらしてきています。昨年川並先生から、中原区老人クラブで「ご長寿よろず座談会」の開催の計画があったとき、果たしてお医者様が真剣に交流していただけるのかどうか、また敷居が高すぎて果たしてうまく行くのかと心配しました。ところが、先生方から時節に起こりやすい老人の病気やその対処法などを教えていただくほかに、老人クラブの皆さんが、健康について心配していることを、快く相談にも乗っていただき、大変有難いと感謝しております。今後、この活動が益々軌道にのってゆくことを望みます。


つきやまサロン 遠藤敦子代表

 つきやま地区の閉鎖された保育園で、毎週1回の集まりがあり、地域社会の健康・介護・環境・安全な生活・文化(伝承)などについてより良くなるために、ボランティアとして活動しています。毎月第4週のテーマは健康増進で、昨年から日本医大の先生方が有益なお話をしていただけるので感謝しています。今後も交流していただきたいと願います。


川並汪一副会長

 ご長寿ネットワーキングの活動の概要を紹介しました。目的は、健康なご長寿の方から、介護が必要なご長寿までの現状と日常生活に隠された問題点を把握し、生きがいのある生活を送れるような草の根活動を実践することです。

 活動地区は当面川崎市中原区ですが、その一方で全国的、国際的視野で高齢社会のあらゆる点での交流を目指します。具体的な活動として、ご長寿よろず座談会の開催、ご長寿ネットの季刊誌の発行などがあります。この季刊誌には、ご長寿よろず相談と回答のまとめ(健康・医療・心・介護・家族など)、本学医療関係者による連載記事(ご長寿診察室)、お茶の間のDNAと遺伝子、ご長寿関連ニュース(高齢福祉関連の制度、介護、トピックス等)、リレー随想、特別話題などを盛り込む予定です。また、11月20日には、インターネットホームページを立ち上げました。その中にも紹介しておりますが、ワシントン、ニュージーランド、北京の支部を設定し、国際的な話題の交換を行います。受講者の皆様も、ぜひご長寿ネットに参加して、中原地区のご長寿のご意見をお届けください。

以上で第一部が終了しました。

第2部     成年後見制度について   (上田評議員/税理士)

 上田淳評議員はお仕事をしながら、介護施設の事務局長も兼ねています。施設に入居しているお年寄の方々から、相続のことにも相談に乗る機会があり、勉強をしていくことから、その制度に精通することになりました。
 成年後見制度は、平成12年4月に、民法が改正されてできた制度です。
上田評議員

 その同じ時期に介護制度が始まりました。この制度は、老人性痴呆が進んだ方、また痴呆まで進んでいないが、その予備の状態にある方々が、「ご当人の権利や財産を守る」ための仕組みです。
 この制度では判断がつかなくなった人(従来禁治産者と呼んでいました)を支援する人を後見人、その手前にある方(判断をつけづらい人)を支援する人を保佐人と呼びます。本人に代わって、財産や、権利、相続までのフォローをします。後見人になるには地域の家庭裁判所に申請し、審査され、認めてもらう手続きが必要です。その結果後見人として認められると、確定証明書が送られ、登記されることになります。後見人は、財産目録をつくるのが最初の仕事です。年金・不動産収入・株式配当・預貯金利息等を管理しながら、税金・家賃・公共料金・毎日の生活費・病院・介護施設等の契約を代行します。

 健康なご長寿状態にある方は、財産分与・遺書などついて、地区の民生委員、役所の老人福祉課に相談され、正式なものは公証人役場の助けを受けるという手続きについては、従来と変わりません。

以上の話をわかり易く解説されました。質疑応答も、6人の方々から約30分間受けられました。
 
 なお、当日の資料は社団法人成年後見センター・リーガルサポートで、絵入りの16ページのものを利用しました。