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新生児仮死 |
概要 |
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- 新生児仮死は出生時の呼吸循環不全を主徴とする症候群である。
- 生後1分、5分のアプガースコア4〜6点を第1度新生児仮死、3点以下を第2度新生児仮死という。
- 新生児の蘇生は保温装置下に気道を確保し、呼吸管理を行なう。
- 神経発達障害をきたすことがあり、長期的なフォローアップが必要になる。
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リスクサイン |
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リスク1:胎児ジストレス.
リスク2:アプガースコアー4〜6点.筋緊張低下.
リスク3:アプガースコアー0〜3点.痙攣. |
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新生児看護ポイント |
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- 正常児であっても出生後の蘇生を怠れば、後の呼吸障害や循環不全の原因になる。一般的な新生児蘇生法を表1に示す。
- 新生児仮死管理の要点はその発生の防止にあり、妊娠あるいは分娩中に胎児状態を把握し適切に対応することが大切である。
- 新生児仮死の看護では呼吸器、各種モニター、点滴などの管理スキルが必要になる。しかし、これらのスキルを身につけることはあくまで新生児看護の必要条件に過ぎない。大切なのは観察力である。モニターに出現しない様々な異常徴候を早期に発見することが児の予後を左右する。
- 新生児仮死では、家族とくに褥婦に対する精神的なサポートが必要になる。処置により児が回復した場合でも、その後の神経発達障害が否定されたわけではない。
表1 新生児蘇生法
- 出生と同時に児の鼻腔、口腔、咽頭の順に吸引を行ない、皮膚を乾燥したタオルなどで清拭する。この手技は30秒以内を目安に行なう。
- 臍帯を結紮(臍帯動脈血ガス測定のため2ケ所)、切断する。
- この段階で自発呼吸がなければ、ラジアントウォーマーに移し、側臥位とし、児背や足底を刺激する。
- 自発呼吸が不規則であれば100%酸素をマスクで投与し、同様の刺激をくり返し、啼泣を促す。
- ある程度状態が落ち着けば、再度、鼻腔、口腔、咽頭の吸引を行ない、分泌物を可能な限り除去しておく。咽頭の吸引は迷走神経刺激により、徐脈が誘発されることがあり、啼泣後の心拍増加時などに行なう。
- 常に体表面の清拭と乾燥したタオルによる被覆で保温に心がける。
- 以上の処置後、換気状態が不十分であれば、新生児仮死に準じ呼吸管理を開始する。
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病態生理 |
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新生児仮死は出生時における新生児の呼吸循環不全を主徴とする症候群である。胎児期および分娩中に生じた低酸素血症に起因することが多く、全分娩の2〜9%に発生する。誘因となる基礎疾患は多岐にわたる(表2)。
新生児仮死は胎児ジストレスに引き続き発症することが多い。高度な胎児ジストレスでは胎児の血中および組織中の酸素分圧は低下し、代謝性アシドーシスが進行する(p 参照)。こうした状態で出生した児は、自発的に呼吸できないことがある。しかし、多くの場合、皮膚刺激により呼吸を開始する(第1度無呼吸)。仮死の状態が重篤な児では、皮膚刺激だけでは呼吸は開始せず、人工呼吸を要する(第2度無呼吸)。
表2 新生児仮死のリスク因子
| 母体因子 |
偶発合併症(心疾患、腎疾患、糖尿病など)
高齢初産
薬物使用
ショック |
| 妊娠・分娩因子 |
妊娠高血圧症候群
早産
過期産
遷延分娩
常位胎盤早期剥離
回旋異常
臍帯脱出 |
| 胎児因子 |
胎児ジストレス
未熟児
子宮内胎児発育遅延
多胎
奇形
羊水異常 |
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診断 |
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本邦では、生後1分、5分のアプガースコアを評価し、4〜6点が軽度仮死(第1度新生児仮死)、3点以下は重症仮死(第2度新生児仮死)としている。
しかし、アプガースコアのみによる評価では、その後の新生児予後との関連性が低いことから、アメリカ産婦人科学会では以下の診断基準を提唱し、新生児仮死がその後の神経発達障害と密接に関連する病態と定義している。
以下の4つの状態を満たしたものを新生児仮死としている。
- 臍帯動脈血で高度の代謝性アシドーシス(pH < 7.00)。
- 出生5分後アプガースコア3点以下。
- 新生児早期から痙攣、筋緊張低下、昏睡、低酸素脳症など神経症状が出現する。
- 新生児早期より多臓器不全の症状を示す。
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治療 |
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- 第1度新生児仮死
- 保温(ラジアントウォーマーなど保温装置下で処置を行なう)。
- 気道内吸引。
- 知覚反射を介して(皮膚刺激など)自発呼吸を誘発。
- 用手換気(マスク、バッグ)。
- 第2度新生児仮死
- 喉頭鏡を用いて直視下に気道吸引する。
- 気管内挿管による酸素投与。
- アシドーシスの補正
- 仮死蘇生後の管理
仮死蘇生術により児の状態が安定すれば、新生児集中治療室(NICU)に収容しその後の管理を行なう。神経学的発達については長期フォローが必要になる。
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