|
男性の各々の遺伝子型をもつ人のラクナ梗塞、脳梗塞(ラクナ梗塞も含む)の頻度を比較した。
遺伝子型 ADH2*2/2 ADH*2/1 ADH2*1/1
男性の人数(%) 698人(61.2%) 378人(33.6%)59人(5.2%)
平均年齢(年) 59.4 58.8 58.0
アルコール(g/day) 28.8 29.5 44.5
MRIを受けた男性 678人 367人 57人
ラクナ梗塞の人 60人 (8.9%) 55人(15.0%) 8人(14.0%)
脳梗塞全体 68人(10.0%) 59人(16.1%) 9人(15.8%)
(注)男性が136人に脳梗塞が見つかったのに対して女性は79人しか見つからなかった。女性では脳梗塞をもつ人のなかで遺伝子型の頻度の違いが統計的に有意ではなかったのはホルモンの影響とともに脳梗塞者の数が少ないことも一因であると思われる。
以上の結果からADH2*2/1の人とADH2*1/1の人にラクナ梗塞、脳梗塞全体(ラクナ梗塞を含む)の人が多いことがわかった。
(注)ラクナ梗塞 60人、脳梗塞68人というのは、ラクナ梗塞が60人で、ラクナよりも大きい脳梗塞の人が8人という意味。
次に、脳梗塞は、年齢によって頻度が大きく変化するので、年齢で補正した。
男性におけるラクナ梗塞
A. 年齢効果を補正した解析結果
ADH2(ADH2*1/1とADH2*1/2) 2.16倍(オッズ比)p=0.0002
年齢(10歳上昇効果) 3.46倍(オッズ比)
B. 年齢とアルコール飲量で補正した解析結果
ADH2(ADH2*1/1とADH2*1/2) 2.18倍(オッズ比)p=0.0005
年齢(10歳上昇効果) 3.53倍(オッズ比)
男性における脳梗塞全体
A.年齢効果を補正した解析結果
ADH2(ADH2*1/1とADH2*1/2) 2.06倍(オッズ比)p=0.0003
年齢(10歳上昇効果) 3.44倍(オッズ比)
B.年齢とアルコール飲量で補正した解析結果
ADH2(ADH2*1/1とADH2*1/2) 2.05倍(オッズ比)p=0.0008
年齢(10歳上昇効果) 3.49倍(オッズ比)
(例えば10歳加齢すると脳梗塞には3.46倍なりやすいことを意味する)
(p=0.0002とは99.98%統計的には正しいという意味)。
以上の結果は脳梗塞全体、ラクナ梗塞で、ADH2*1を持つ人(ADH2活性の低い人たち)は、2倍以上ラクナ梗塞、脳梗塞になりやすいことを示す。
アルコール飲量で補正しても解析結果は変化しないので、アルコール飲量が、脳梗塞になりやすさに影響したのではなく、ADH2の遺伝子による効果であることが明確に示された。
|