皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・できもの)外来
かゆい大きいほくろは除去した方が良いか
昔から生まれつきあったできもの(ほくろ)でも、
・大きくなってきた
・盛り上がってきた
・色が変わってきた
・血が出てきた
・ジュクジュクしてきた
・かさぶたができてきた
といったように、その外見に変化が生まれる場合があります。また、かゆみや痛みが出始めたり、膿が出るようになったりする場合もあります。そういったできものの中には’皮膚がん’が含まれている場合があります。小さくても、直径が6mm以上だったり、色や形が不整な場合は気を付けなければなりませんし、足の裏や手のひらや爪部分に発生する悪性の皮膚がんもあります。しかし、さまざまな種類の腫瘍があるため、専門医でも外見だけでは100%の診断を行うことはできません。診断を確定させるためには、切除したものを顕微鏡で拡大して細胞を確認する「病理検査」を行う必要があります。ただ、誤って悪性を疑って、大きく切除したことで整容面に問題がおきるのは問題です。
したがって、皮膚腫瘍(ほくろや粉瘤)治療の目的とは
【診断】術前に悪性の可能性の程度を明確にし、除去術の必要性を診断する
【手術】除去術を行う際には、しっかりと切除を行い、病理検査で良性悪性の診断をつける
【デザイン】手術では、術後の仕上がりがきれいになるようなデザインをする
【仕上がり】術後の経過をしっかりとフォローして、きれいに仕上げること
当施設では以上のように、「しっかりとした診断」と「きれいな仕上がり」を両立させることを目的として治療を行っています。
粉瘤(ふんりゅう)除去手術
粉瘤(ふんりゅう)とは、アテロームとも言われ、皮膚科や形成外科以外の医師からは「脂肪の塊」「粉瘤腫」と表現されることもあります。絞り出すと臭いカスのようなものが出たりしますが、これは袋状になった内部にたまった角質です。
外部からの刺激などで感染すると、急に大きくなったり、赤くなったり、強い痛みが出ることがあります。このようになってしまうと、いったん内部にたまった角質を局所麻酔下で取り除き、後日改めて袋状の腫瘍を切除する必要があります。
感染がない、もしくは治まったら摘出術を行いますが、手術は、腫瘍をしっかりと切り取る「切除法」や袋のみを最小の切開で取り除く「くり抜き法」があります。それぞれの手術法にメリットとデメリットがあり、どちらを選択するかは、腫瘍の大きさ・癒着・部位など、総合的に判断して決定します。
顔や耳、背中などにできることが多いですが、おしりに出来た大きな粉瘤はまれに悪性の細胞を認めることがあるため、切除した検体を調べる方が良い場合などがあります。
ほくろ(黒子)除去
一口にほくろと言ってもほくろ以外のものも含まれています。
例えば、皮膚と同じ色の’できもの’である「尋常性疣贅(いぼ)・軟性線維腫・皮膚線維腫」、赤色や紫色に見える「血管腫」や、粉瘤と同様に感染して膿がでる「石灰化上皮腫・毛母種」などです。その他もちろん、皮膚がんの可能性も否定できません。珍しい例でいえば、顔面の腫瘍を取ってみたら、虫歯のばい菌が皮膚の下に膿をためていたものだったり、頭のできものを切除したら、「脳みそ」の一部であったようなぞっとする経験もあります。(もちろん、手術は安全に終了し、後遺症などはありませんでした)
明らかに良性のものであり、とても小さなものであればレーザー治療は良い適応です。しかし、きずあとが盛り上がりやすい場所やある程度の大きさの場合は、手術の方があとが目立たない場合があります。また、少しでも悪性の可能性があったり、 「かゆい」「腫れている」などの症状がある場合は、切除したものをしっかりと病理検査で調べる必要があります。病理検査では、細胞を一つ一つ皮膚病理の専門家が観察し、明確な診断を下すことが出来るので安心です。上で示したようなぞっとする経験はめったにありませんが、診断を確定させると安心ですから。
もちろん、傷跡を最小限に治療を行うことが形成外科の大きな役割の一つであり、疾患と患者さんの希望に合わせた治療法を提案します。
皮膚腫瘍摘出術(保険適応)
‘できもの’がどこから発生して、良いものなのか、悪いものなのかを調べることが大切です。また、もし悪性が疑われて大きな手術を行うことになっても、小さいほくろでも、健康保険が適応され、術式は皮膚腫瘍摘出術、耳介腫瘍摘出術、皮膚悪性腫瘍摘出術などの術式が多いです。小さな手術の場合は、局所麻酔で日帰り手術となり、大きな手術の場合は、全身麻酔で入院となります。ただ、患者さんの生活や性格を考慮して臨機応変に対応しますので、外来医師にご相談ください。
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