当院では新人看護師ができるだけ早くに職場に慣れるよう様々な取り組みを行い、研修を含めた支援体制を整えています。
◆内定者対象病院説明会 ※現在、コロナウイルス感染防止のため中止をしています。
入職式直前に希望者を対象にした病院説明会を開催しています。入寮時期に合わせていますので、希望されるご家族の方も一緒に説明会に参加されることが可能です。「少しでも早く病院の事を知っておきたい」と言う方や、「病院という職場はどんなところ?」「看護師と言う仕事はどんな仕事?」という不安や疑問をお持ちのご家族も一緒に新人看護師を支援することができるよう、看護部の概要を中心に説明会を行っています。
説明会内容:
- 学校法人日本医科大学および日本医科大学武蔵小杉病院の概要(庶務課担当)
- 看護部の概要について
・看護師という職業について、日本医科大学武蔵小杉病院看護部について(看護部長)
・勤務体制と看護師の業務について(業務担当師長)
・新人看護師支援体制について(教育担当師長)
・医療安全について(医療安全担当師長)
・生活環境と健康管理について(庶務担当師長)
- 院内見学
◆入職時オリエンテーション ※2020年度よりコロナウイルス感染防止のため内容を変更して実施しています。
新人看護師が安心して配属部署で勤務を始めることができるよう、入職式を終えたのちに約2週間の看護部の入職時オリエンテーションが始まります。少しずつ現場に慣れることができるよう、研修の場と臨床を行き来しながら学びを深めていきます。
従来のオリエンテーションと異なり、早期に安心して配属部署になれるように研修プログラムを計画しています。約2週間、午前中は集合研修で講義や演習を受け、午後は配属部署でのオリエンテーションや業務を行います。
内容:看護職としての社会人基礎力、感染管理、接遇、医療安全、ナーシングボディメカニクスと褥創予防、コミュニケーション演習、フィジカルアセスメント、看護記録 等
(2019年度 新人オリエンテーション 集合研修の様子)
オリエンテーション後も共通する看護技術の習得や医療安全に関する内容について、演習や講義を数回に分けて実施しています。
◆各部署における新人看護師支援の実際
各部署における新人看護師の支援体制は以下のようになります。
当院では、平成20年より厚生労働者から出された新人看護師研修制度のガイドラインに準じて、支援体制を整備しました。「部署全体で育てる」ことを基本方針としております。
実地指導者が主に新人看護師の指導を行いますが、悩みを相談しやすい環境を作る為にも、身近な相談者として新人看護師支援者も新人看護師のサポートを行っています。
新人看護師および中途採用等で当院へ就職された方には、ピンクの職員証のストラップをつけていただいています。当院に就職され、慣れないことで戸惑うことがないよう、他の職員に分かるようにしています。病院全体で新しい仲間をサポートします。
◆現任教育プログラム
日本医科大学看護部には『ジェネラリストのためのキャリアラダー』があり、各レベルに応じた現任教育プログラムを実施しています。新人看護師から各役割を担うための内容や専門領域に関する内容となっています。
基礎研修
◆新人看護師育成コース
オリエンテーション期間が終了すると、年間を通じた新人研修が始まります。
モジュール型受け持ち看護方式における“代行看護師”として、患者さまへのケアが提供できるようトレーニングをしていきます。基本的な看護技術や自己のストレス管理について、また新人看護師に必要な管理・看護倫理についての研修を行います。さらに、実際に複数の患者を受け持ちながら看護過程の展開に関する演習を行います。
コースの後半では、シナリオを基にした多重課題シミュレーション、夜勤を想定した患者急変時の対応についてのシミュレーション研修を行います。
新人看護師育成コース最終日にはコース修了式を行い、修了書の授与とこれまで着用していた新人の証であるピンクのストラップから他の先輩と同じブルーのストラップに付け替えます。また、各部署の責任者により認定審査をうけジェネラリストラダー「レベルⅠ」が認定されます。
◆受け持ち看護師育成コース
モジュール型受け持ち看護方式における受け持ち看護師の役割と責任を理解し、その役割行動がとれることを目的として研修を行っています。受け持ち看護師の役割、看護における倫理問題、医療安全等についての研修を行います。また自部署で上司や先輩の支援を受けながら、受け持ち看護師の役割について演習を通して学び、その成果をまとめます。その際、自己のケアの振り返りをナラティブに起こして学びを深める作業も行います。
このコースを修了し、審査を受けたうえでジェネラリストラダー「レベルⅡ」の認定を受けることができます。一人前の看護師として、受け持ち看護師として患者さまのケアにあたります。
◆リーダー看護師ベーシックコース
初めてリーダー看護師となる人を対象にしたコースです。リーダーに必要な内容の講義と演習を行います。また実際に部署で3日間のリーダー演習を行います。医療安全については、緊急時のシナリオを設定した演習を行います。
このコースを修了することは、ジェネラリストラダー レベルⅢの認定審査を受ける条件のひとつでもあります。
◆e-ラーニングシステムの活用
当院では「ナーシングスキル日本版」を各現任教育プログラムにおける研修前の事前課題として活用しています。日々の業務の中でも、各看護技術の手順の確認やテストをすることで知識の確認をすることもできます。インターネットの使える環境であればどこからでもアクセスでき、自宅のPCやスマートフォン等から利用できるため、通勤や帰宅時の時間も有効に使えるようになったと好評です。アクセス数も年々増えています。現在は、動画講義の閲覧もできるようになりました。
看護師だけでなく看護助手も閲覧できるようになり、看護部全体で活用しています。
臨床実践能力育成研修
(リーダーシップ・指導者育成研修)
*指導者育成研修
◆臨地実習指導者ブラッシュアップ研修
日本医科大学では4病院合同で臨地実習指導者認定講習会が3か月開講され、受講生は看護学生の指導に必要な知識と実際の指導について演習を通して学びます。その後、実際に臨地実習指導者として、学生への実習を行います。
実習指導者として学生への指導を通して学んだことや困難に感じたこと等、同じ立場の仲間として、情報交換や討議をし、更に指導者として成長できるような機会を作っています。
◆新人看護師支援者育成研修
新人看護師に1名ずつ相談役としてつきます。新人看護師にとって身近な存在として3年~4年目程度の看護師が指導者としての役割をとっていきますので、そのために必要な内容の研修を行います。
新人看護師の理解、教育的関わりについての講義、実際に経験している新人看護師の関わりから自己の振り返りを行います。
*リーダーシップ育成研修
◆リーダー看護師アドバンストコース
研修生それぞれが、自己のキャリアについて考える機会、そして問題解決能力を育成することを目的に行っています。講義と実際に各部署での問題解決に取り組む演習を行い、それぞれの成果を発表する機会を設けています。
(専門領域ブラッシュアップコース)
認定看護師が中心にスキルアップ研修を行っていると同時に、以下の領域について院内認定コースを運営しています。年間を通して学ぶ機会があります。認定看護師を中心に研修が企画され、講義と演習を通して実際のケアに直接つながるよう学びを深めていきます。
◆院内認定コース (ラダーレベルⅢ相当以上)
平成26年度より「呼吸ケアコース」「褥瘡ケアコース」の
2コースの研修と認定が始まりました。
平成28年度より「がん化学療法コース」が加わりました。
各領域の認定看護師が中心となり、計3コースの院内認定
コースの運営を行っています。
◆訪問看護ステーション研修
近隣の訪問看護ステーションのご協力をいただき、2日間の訪問看護ステーションでの研修を行っています。在宅で過ごされる利用者さまやご家族の様子を知ることで、退院時に必要なケアや指導・継続するべき情報などについて考え、退院および在宅を見据えたケアに活かしていきます。
◆採用時オリエンテーション
採用時には必ず看護部長はじめ看護師長が、担当業務に関連する内容についてオリエンテーションを1日かけて行っています。
【内容】看護部の概要・医療安全・服務規程・看護体制・教育体制および看護記録・管理感染など
◆看護助手研修
年間を通して、実技を中心とした研修を行っています。受講生の経験に合わせて看護助手研修Ⅰ・Ⅱとふたつのコースに分けて企画しています。
・看護助手ベーシックコース
【内容】組織およびチームの一員としての心構え・接遇医療安全・基本的看護技術(移乗介助・体位交換・排泄介助・清潔ケアなど)
・看護助手リーダー研修
看護助手研修とは別に、業務担当者・医療安全担当者と協働し、看護助手のリーダー育成を始めました。受講生を中心に各所属部署における業務改善への取り組み、また部署間による情報交換を行い、日々の業務の見直しおよび改善に取り組んでいます。
◆研究活動
日本医科大学では4病院合同研修があり、看護研究に関しては年間を通して指導を受けながら看護研究に取り組んでいます。研究の成果をまず院内で発表し、次に4病院看護研究発表会、さらには各学会への発表をめざしています。
その他にも特定・専門・認定看護師を中心とした研究活動、また各部署での実践や研究活動をまとめ学会への発表を行っています。
患者さまに心のこもった手厚い看護を提供するためには、看護師の十分な人員確保も必要です。
免許を持ちながら現場から離れてしまった看護師が再び現場に戻ることができるよう、私たちはこれまで培ってきた人材育成の経験を、現場復帰への希望と不安を持つ潜在看護師の方々の支援に役立てたいと考えております。
潜在看護師復帰支援プログラム |
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目的 |
一定期間、臨床現場を離れていた看護師に対して、現在の臨床において必要とされる知識と技術を指導し職場復帰を支援する。 |
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対象 |
臨床現場への復帰を希望する看護師免許取得者 |
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場所 |
日本医科大学武蔵小杉病院 |
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参加費 |
無料 |
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日時 |
希望者と相談の上、随時行っております。 |
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内容 |
医療安全(安全確認・KYT・転倒転落防止等)
感染防止(標準予防策)
輸液管理(クローズドシステム・輸液ポンプ取扱い)
呼吸器管理・スキンケア・オーダリングシステム
クリティカルパスの運用など… |
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まず、事前にお問い合わせいただき担当者と面接させていただきます。その際に、研修日程や期間・研修内容等についてご要望等を確認させていただきます。
◆申し込み方法
下記電話番号にお問い合わせください。
看護部事務室 担当:小林
044-733-5181(代表)8:00~16:30