■特集〔慢性肝炎のトピックス〜奈良宣言2023を踏まえて〜(5)〕
脂肪性肝疾患について
新井 泰央
日本医科大学消化器内科学

脂肪性肝疾患(steatotic liver disease:SLD)は,国際的な疾患概念の再定義がなされ,代謝異常を背景とする代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease:MASLD)を中心とした新たな分類体系が提唱された.MASLDは,進行すると肝硬変や肝細胞癌に至るリスクがあるほか,心血管病や腎障害,悪性腫瘍を含む多臓器合併症とも関連する全身性疾患である.本稿では,SLDの疾患概念,2023年に提唱された奈良宣言に基づくスクリーニングと線維化評価,生活習慣および薬物療法を含む最新の治療戦略を概説する.SLD診療の質的向上に向け,エビデンスに基づく体系的な診断・介入が実臨床において求められる.
日医大医会誌 2025; 21(3), 216-220
Key words
脂肪性肝疾患(SLD),代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD),代謝機能障害関連脂肪性肝炎(MASH)
受付:2025年6月17日 受理:2025年6月23日 |