診療内容

対象となる疾患と治療

  • 冠動脈疾患に対するバイパス術
  • 各種心臓弁膜症に対する弁形成術ならびに弁置換術
  • 心臓腫瘍の手術
  • 感染性心内膜炎の手術
  • 成人・小児先天性心疾患の手術
  • 心房細動手術
  • 心室頻拍手術(心室瘤手術を含む)
  • 左心耳内血栓摘除術または左心耳閉鎖術
  • 急性大動脈解離の手術
  • 胸部・腹部大動脈瘤の手術(ステント治療を含む)
  • 下肢閉塞性動脈硬化症の手術
  • 下肢静脈瘤の手術(レーザー治療を含む)
  • 透析動静脈シャント作成ならびに合併症の手術
  • ペースメーカ・リード感染抜去
  • 心臓・血管損傷

当科における専門的治療

弁膜症・不整脈治療

各種不整脈手術のパイオニアとして国内外でも有数の治療成績を誇ります。特に心房細動手術では独自の治療方法(自律神経を調整する心臓神経叢焼灼)を併用し、多くの患者様を治療してまいりました。各種弁膜症に対しては自分の弁を温存する治療(形成術)を積極的に行うことで心不全を予防するとともに、不整脈治療を組み合わせることで脳梗塞や抗凝固薬の副作用(出血)への不安がない人生を送っていただけるようにいたします。また不整脈だけに対する低侵襲治療(小開胸や胸腔鏡下手術)も行っています。

虚血性心疾患の治療

日本医科大学は1975年から冠動脈バイパス術を開始、1997年からは心臓を止めずに行う心拍動下での手術を積極的に行ってきました。この手術方法は患者様のお体への負担、それに伴う合併症を減らす方法として知られています。武蔵小杉病院では日本医科大学の伝統的な手法を踏襲して90%以上の患者さんで心拍動下手術を行ってきました。またバイパスに使用する血管(グラフト)に動脈グラフトを使用することで開存率を高め、一生涯にわたり発作の無い生活を送っていただけるよう取り組んでいます。

大動脈瘤の治療

胸部から腹部骨盤領域までいかなる場所に生じた動脈瘤も治療いたします。その際、従来の開胸・開腹手術だけでなく、血管内にステントを留置する血管内治療、両者を組み合わせる治療、または体力を維持しつつ複数回にわけて行う治療など、患者様一人一人に応じた最も適切な治療方法をバランス良く選択することで確実な治療を目指します。また動脈瘤と診断されても未だ治療を要する大きさや形態ではない場合もございます。そのような患者様に対しても定期的に診察しサポートいたします。

先天性心疾患の治療

当院は周産期・小児医療センターを有しており、産科、小児科、新生児科、小児外科と連携しています。出生前診断から合併疾患、心臓手術後のフォローアップまで総合的に対応いたします。また循環器内科と連携し成人先天性心疾患にも対応しており、専門外来を設けております。心臓手術は、小児専門病院で修練を受けた経験豊富な医師が担当いたします。

末梢血管疾患の治療

下肢静脈瘤の診療・治療を積極的に行っています。下肢静脈瘤は患者様それぞれに様々な症状を呈します。その原因については検査を行い、適切な治療方法(ストッキング着用、レーザー治療、静脈瘤切除術、または硬化剤治療)を選択しご説明いたします。
下肢の動脈が狭窄または閉塞する下肢閉塞性動脈硬化症に対して人工血管を使用せず、患者様ご本人の静脈を使用したバイパス手術を施行いたします。バイパス手術のみならず閉塞した動脈の肥厚した内膜を摘除し血流を改善させる治療も併用し、体内に異物を残さない血行再建術を積極的に施行します。