診療内容
消化管(食道、胃、小腸、大腸)疾患、肝臓、胆嚢、膵臓疾患全般の診療を行っております。また専門領域疾患に合併する一般内科疾患全般についても診療を行っています。
食道グループ
食道グループでは、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流(NERD)、薬物抵抗性の胸やけ、アカラシアに対する診療を得意とし、患者様の抱える症状(胸やけ、つかえ感、口腔内のすっぱい感じ)などに対し、病態に基づく適切な診療を心掛けております。また、食道がんについても確かな診断術を持っており、外科、放射線科との連携により、適切な治療を行っております。
特色
薬物抵抗性の胸やけ
多くの胸やけを有する患者様は、胃酸分泌抑制薬により胸やけ症状は改善・消失しますが、これらの薬を内服しても症状が改善せず、困っている患者様が多く存在しているのも事実です。これらの薬物抵抗性の胸やけを有する患者様は、「気のせい」として診療されている場合もあります。
薬物抵抗性の胸やけの原因として、胃酸分泌抑制が不十分である場合や胃酸以外の逆流の関与が考えられています。われわれは、新しい食道内圧検査に加え、胃酸以外の逆流も評価できる新たな食道pH・インピーダンス検査を導入し、薬物抵抗性の胸やけの原因精査を行っています。
食道アカラシア
食道と胃の境界には括約筋が存在します。食物や水分を食道から胃に送り出すため、この括約筋が開き、その後は胃からの逆流を防止するため閉じています。この括約筋がうまく開かない病気が食道アカラシアです。食道アカラシアは稀な良性疾患で、主症状はつかえ感です。進行した食道アカラシアはバリウム検査、内視鏡検査で診断することが可能ですが、程度の軽いアカラシアは食道内圧検査で初めて診断できます。当科は新しい食道内圧検査を年間120例以上行っている国内でも数少ない施設です。
また、食道アカラシアの内科的治療法としてバルーン拡張術があります。バルーン拡張術により、40歳以上の人では約70~80%の患者様の症状が改善します。われわれの施設では、このバルーン拡張術を年間約15~20例施行していますが、バルーン拡張術に伴う問題となるような合併症は認めていません。2000年以降でも約100症例のアカラシア患者様の診断・治療を行い、アカラシアに対する診断技術、治療成績はトップレベルにあります。拡張術が無効な場合には、当院食道外科において、腹腔鏡下手術が行われ良好な成績が得られています。
食道がん
食道がん治療に関しては、当科にて診断後、消化器内科、消化器外科、放射線科の連携により、患者さんに合った治療法を選択し、治療を行っています。消化器内科病棟には常に食道がんに対する化学療法を受けられている患者様が5~7人います。
胃十二指腸グループ
胃・十二指腸グループでは、機能性ディスペプシア(FD)を研究の中心テーマとしています。FDは上部消化管内視鏡などの検査では異常が見つからないにもかかわらず、胃の不調が続く疾患です。当グループはその成因の一つとして「膵臓の微小な炎症」に着目し、胃の隣にある膵臓のごくわずかな不調が、従来の胃薬では改善しない症状の原因となっている可能性を、これまでの研究により明らかにしてきました。当グループには、国内の診療指針である「機能性消化管疾患診療ガイドライン」の作成委員長および委員が在籍しています。日々の診療では、超音波内視鏡検査(EUS)や各種バイオマーカーを用いて膵臓を評価し、研究で得られた知見を臨床現場へ還元しています。ガイドライン作成を担う専門医として、常に科学的根拠に基づいた診断と治療の実践に努めています。
大腸・小腸グループ
小腸・大腸グループは小腸から直腸までを担当しています。小腸検査に関してはカプセル内視鏡、ダブルバルーン内視鏡を導入しています。大腸では、大腸ポリープの切除、早期大腸癌の粘膜切除術や粘膜下層剥離術(ESD)などの内視鏡的治療の他に、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)の治療に取り組んでおります。
特色
小腸:カプセル内視鏡とダブルバルーン内視鏡
小腸検査に関しては、カプセル内視鏡、ダブルバルーン内視鏡を導入。専門性の高い小腸内視鏡検査施設となっています。カプセル内視鏡は、新しいテクノロジーによって開発されたカプセル型の小型カメラを口から飲み込むだけで小腸が検査できる、被験者の負担が非常に少ない優れた検査です。当施設では1,000例近い検査を実施し国内トップクラスの施行数で、藤森講師は読影法セミナーなどを通して他施設に指導しています。
ダブルバルーン内視鏡は全小腸を内視鏡観察しながら止血術や組織検査、さらにはポリープ切除術やバルーン拡張術などの処置を行うことのできる優れた検査です。この検査を当施設ではいち早く導入し、現在までに1,000件以上行っており国内で豊富な施行数となっています。三井講師、本学北総病院の田中講師が他施設に検査指導することも多く、指導施設として認知されています。
小腸の内視鏡検査を行う場合には紹介状をお持ちいただき、その内容から検査の適応を決めさせていただいています。
大腸:大腸内視鏡と炎症性腸疾患
大腸部門では、大腸内視鏡による大腸ポリープの切除、早期大腸がんの粘膜切除術などの内視鏡的診断・治療中心に行っています。当内視鏡センターは内視鏡指導施設で専門技術習得を目指す医師の指導も行うため、専門医でない医師が検査する場合がありますが、安心していただけるように下部消化管専門の内視鏡指導医2名、内視鏡専門医4名が指導、チェックを行っています。2008年には大腸ポリープの切除をおよそ200例で行いました。また、平成24年度から粘膜下層剥離術(ESD)も施行可能となりました。切除標本や生検組織の病理診断には当施設病理部だけでなく、病理の経歴を持つ⾠口講師が詳細に検討します。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)の治療にも取り組んでいます。現在、潰瘍性大腸炎患者約150例、クローン病患者約60例を診療しています。免疫調節薬、血球除去療法、生物学的製剤などを用い、早期に寛解導入し良い状態を維持しています。クローン病の小腸狭窄は、これまで外科治療が一般的でしたが、前述のダブルバルーン内視鏡による狭窄のバルーン拡張術を積極的に施行し、可能な限り手術をせずに通院治療を継続できるよう配慮しておいます。また、プロバイオティクスなどを応用した治療研究を海外の専門誌に発表するなど、研究活動も行っています。
肝臓・胆嚢・膵臓グループ
診療している疾患
- 肝臓疾患
B型肝炎、C型肝炎、その他の急性・慢性肝炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎(PBC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、アルコール関連肝疾患、脂肪性肝疾患(MASLD/MASH)などに対応しています。また、各種原因による肝硬変およびその合併症である食道・胃静脈瘤、腹水、肝性脳症などの診療も行っています。さらに、肝細胞癌や胆管細胞癌などの肝胆道系悪性腫瘍の診療にも対応しています。 - 胆嚢、胆道疾患
胆石症、急性胆嚢炎、急性胆管炎、胆嚢がん・胆管がんなどの胆道悪性腫瘍、その他の良性胆道疾患に対応しています。また、急性膵炎、慢性膵炎、自己免疫性膵炎、膵良性腫瘍、膵がん、膵嚢胞性腫瘍などの膵疾患の診療も行っています。
特色
- ウイルス性肝炎
B型・C型慢性肝炎に対して、ガイドラインに基づいた薬物療法を行っています。C型肝炎では飲み薬による治療を行い、治療後も肝がんの早期発見を目的とした定期的な画像検査や血液検査による経過観察を継続しています。B型肝炎についても長期的なフォローアップを行っています。 - 脂肪性肝疾患 脂肪性肝疾患(MASLD/MASH)では、血液検査や画像検査などを用いて肝臓の炎症や線維化の程度を評価し、将来の肝硬変や肝がんへの進行リスクを見極めながら診療を行っています。生活習慣の改善を基本に、代謝異常の是正を目指した治療を行っています。
- 肝硬変とその合併症 肝硬変に伴う腹水、食道・胃静脈瘤、肝性脳症などに対して、薬物療法、内視鏡治療、カテーテル治療を組み合わせながら病態に応じた治療を行っています。静脈瘤破裂などの緊急性の高い出血にも対応できる体制を整えています。
- 肝臓がん
肝細胞癌に対しては、肝機能や病期を踏まえ、外科・放射線科と連携しながら治療方針を検討しています。ラジオ波焼灼療法や肝動脈化学塞栓療法などの局所治療に加え、切除が難しい場合には免疫療法を含む全身薬物療法を行っています。 - 胆道・膵臓疾患
視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)や超音波内視鏡(EUS)を用いた診断・治療、超音波内視鏡下組織採取(EUS-TA)による腫瘍の組織診断にも対応しています。外科や放射線科と連携しながら診断から治療まで一貫した診療を行っています。
お問い合わせ
日本医科大学付属病院
〒113-8603 東京都文京区千駄木1-1-5
TEL: 03-3822-2131(代表)
夜間・休日救急外来
TEL: 03-5814-6119
(午後4時00分~翌日午前8時00分・土曜:午後2時00分~翌日 午前8時00分)
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