診療内容

急性白血病、悪性リンパ腫等の造血器悪性腫瘍に対する化学療法では治療症例数はきわめて多く、良好な治療成績をあげています。また、治療適応を見極めて造血幹細胞移植を積極的に行なっています。重症再生不良性貧血に対しては最も強力な免疫抑制療法を施行しており、良好な成績を上げており、その他にも各種貧血症の治療、血小板減少症をはじめとする出血性疾患の治療を行っています。特殊外来として、骨髄移植外来、多発性骨髄腫外来を行なっています。
当施設は骨髄バンク・臍帯血バンクでの認定移植施設であり、造血幹細胞移植は血縁・非血縁者間移植を中心に年間約30症例実施しています。また、急性白血病(特に急性骨髄性白血病)、慢性骨髄増殖性腫瘍(慢性骨髄性白血病、真性多血症、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症)、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫、先天性角化不全症、造血幹細胞移植治療に関してセカンドオピニオンにも対応しています。

専門としている病気の種類

血液疾患は最も進歩が著しい医療分野のひとつですが、血液内科では以下のような疾患につき熟練した専門医師がその時点で最も進んだ、また最も適切な医療を行うことができる設備と実績を備えています。また、輸液療法室と密接に連携し、より快適に治療を受けていただけるような工夫も行っています。

1.貧血症

鉄欠乏性貧血

健康診断後の精密検査、近隣の開業医からの紹介、院内他科からの紹介など、最も患者さんの多い貧血で女性に多い貧血でもあります。治療のみならず原因を調べることが大切です。

遺伝性球状赤血球症

遺伝性の珍しい貧血ですが、年に数人の患者さんが紹介されてきます。脾臓を手術で取るのが唯一の治療法です。

自己免疫性溶血性貧血

免疫の異常が原因で赤血球が壊れてしまう病気で、年に数人の患者さんが治療のため入院され、退院後は外来で治療継続を行っています。

再生不良性貧血

難病にも指定されている重要な貧血です。当科では今までに大変多くの患者さんの治療を行っており、免疫抑制療法や骨髄移植(造血幹細胞移植)など最先端の治療法を取り入れ、患者さんごとに最適な治療法を選択しており、治療成績も良好です。

骨髄異形成症候群

最近増加しつつある高齢者に多い病気で、大変多くの患者さんが紹介されてきます。種々のやっかいな症状を伴い、治療が難しいため血液専門医が治療に当たります。

悪性貧血、ビタミンB12欠乏性貧血および葉酸欠乏性貧血

ビタミンB12あるいは葉酸欠乏による貧血です。新しい患者さんは年に数人紹介されてきます。正確な診断を行った後、ビタミンB12や葉酸などを補う補充療法を中心とした外来治療を行い、患者さんの通院しやすいよう、近隣の後方支援病院の協力を得て外来治療を引き継いでいます。

腎性貧血、二次性貧血などその他の貧血症

原因を明らかにし、適切な治療と必要に応じて他の領域の専門医への紹介を行っています。

2.白血球系疾患

白血球減少症および白血球増加症

多くは健康診断や人間ドックで異常を指摘され、精密検査のため来院されます。原因はさまざまであり、近隣の開業医および院内他科からもしばしば紹介されます。

急性白血病

発熱や貧血、出血などの症状が突然出て発病します。近隣の医院、病院からの紹介が多く、入院治療を行います。当科で最も重要な病気のひとつです。抗がん剤による強力な治療や造血幹細胞移植法(骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植)など最先端の医療を行っています。

慢性骨髄性白血病

健康診断あるいは近隣の開業医から白血球増加を認められて紹介される場合が多く、染色体検査などの精密検査により診断した後、治療方針を患者さんと相談のうえ決定しています。化学療法(抗がん剤)、インタフェロン療法、薬物療法(イマチニブ〔グリベック〕)、造血幹細胞移植療法などいずれも可能です。最近ではほとんどイマチニブ(グリベック)を用いて治療を開始しています。

3.リンパ系疾患

リンパ節腫大

近隣の医院・病院からの紹介、当院他科からの紹介などを含めきわめて多くの患者さんを診療しています。ウイルスなどの感染症、悪性疾患、膠原病などの鑑別を行います。必要な時はリンパ節を摘出して原因を調べます。

悪性リンパ腫

近隣施設からの紹介が多く、白血病と並び最も重要な病気のひとつです。病気の型、患者さんの年齢や全身状態などを総合的に考慮して患者さんと一緒に治療法を決めています。必要な場合は造血幹細胞移植療法も行っています。

骨髄腫

骨髄腫は100人以上の患者さんを治療してきています。この病気も病状や患者さんの年齢などを考慮して治療法を決めます。造血幹細胞移植療法をはじめサリドマイドを使用した治療など最先端の治療を行っています。

慢性リンパ性白血病

自覚症状はほとんどないため、近隣の施設や健康診断の結果からリンパ球が多いことを指摘され来院されます。本邦では比較的まれなタイプの白血病ですが、当科には常時数名の方が通院しています。適切な時期に最適な化学療法を行います。

4.慢性骨髄増殖性疾患(真性赤血球増加症、本態性血小板血症、骨髄線維症)

真性赤血球増加症

赤血球が多い(血が濃い)ことを指摘され来院されます。瀉血療法、化学療法(抗がん剤)、薬物療法(抗血小板剤など)などを行います。

本態性血小板血症

血小板数の増加や血栓症のため紹介されることがほとんどです。正確な診断を行った後に抗血小板剤の内服や化学療法などを行います。

骨髄線維症

骨髄が硬く線維化をし、脾臓が大きく腫れます。白血球や血小板が増加する場合には抗がん剤を、貧血がある場合には赤血球輸血を行います。

5.出血性疾患(血小板減少症、凝固異常症など)

特発性血小板減少性紫斑病

大変多くの患者さんの治療を行っています。血小板数が減って、青アザなどの皮下出血や鼻血、口腔内出血がみられます。病気が軽くて経過をみるだけでよい患者さんから、ほとんどの治療が効かない重症の患者さんまで程度はさまざまです。病気の程度に応じた適切な治療を行っています。

播種性血管内凝固症候群(DIC)

悪性疾患の経過中や重症感染症に伴い発症することが多く、したがって通常入院中の患者さんにみられる大変難しい病気です。原因となっている疾患の治療を中心に、DICに対する適切な治療を必要とします。

血友病

遺伝性の、男性にみられる特殊な出血性疾患です。

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急性白血病、悪性リンパ腫等の造血器悪性腫瘍に対する化学療法では治療症例数はきわめて多く、良好な治療成績をあげている。また、治療適応を見極めて末梢血幹細胞移植、骨髄移植など造血幹細胞移植を積極的に行なっている。
重症再生不良性貧血に対しては最も強力な免疫抑制療法を施行しており、良好な成績を上げている。その他各種貧血症の治療、血小板減少症をはじめとする出血性素因の治療を行っている。

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