画像診断

CT (Computed Tomography)

冠動脈CT 冠動脈CT

MDCT装置 MDCT装置

CTとは、人体に多方向からX線を照射し透過したX線をコンピュータで解析することで人体の横断像を得る非侵襲的診断法です。
CTの登場により画像診断は飛躍的に向上しましたが、近年マルチスライスCT(MDCT)が開発されたことで空間分解能に優れた高精細な画像が極めて短時間で得られるようになり、画像診断はさらに進化しました。
日本医科大学付属病院には4台の診断用CT装置が稼動していますが、64列ならびに32列マルチスライスCT装置をはじめ、まさに最先端のCT装置が配備されています。
CT検査件数は年間35,000件を越え、国内有数の実績を維持しているだけでなく、高度救命救急センターや集中治療室に搬送されるあらゆる病態の患者さんに対応すべく365日24時間の緊急対応を行っています。また、全てのCT検査に対して日本放射線学会認定専門医による読影報告書を即時発行することで、診断から治療に至る最良な医療の提供に加え、必要な情報を立体的な3次元CT画像として提供し、治療効果判定やインフォームドコンセントに活用しています。
CT画像を用いた3次元画像は今でこそ多くの施設で活用されるようになりましたが、その開発に当放射線科は深く関ってきました。現在では、大動脈瘤や大動脈解離などの大血管疾患や閉塞性動脈硬化症などの末梢血管疾患に加え心臓の冠動脈の3次元画像も提供できるようになり、これまで血管造影でしか得られなかった情報をおよそ10分程度の外来検査で正確に知ることができるようになりました。また、早期脳梗塞の診断において注目されているCT perfusion(CT灌流画像)も海外の大学と共同で開発し国内外での普及に努めてきました。これらの成果は欧州放射線学会から金賞ならびに銀賞を授与され、また日本医学放射線学会でも金賞を受賞し、広く国内外で認められています。

仮想血管内視鏡 仮想血管内視鏡

大動脈ステントグラフト 大動脈ステントグラフト

MRI (magnetic resonance imaging)

MRI装置 MRI装置

MRIは磁石と高周波を用いて人体を画像化する検査であり、高い組織コントラストと自由な撮像断面という特長を持ちます。
多くの画像検査と異なりX線被曝が無く、腫瘍や炎症を可視化する造影剤も心・腎臓に優しく不快感を生じません。患者さんの体内金属などには注意を要しますが、幼年者から高齢者まで幅広く使用できる有用な画像検査です。
MRIが得意としCTより有用とされている臓器は脳脊髄、関節、子宮などです。
最近の撮像方法の進歩により、膵臓や胆道系の描出にもMRIは活躍しています。本院を含む大学病院では心臓や血管、乳腺のMRI検査も行われ、一部の施設では脳機能や超微細構造の解析にも使用されています。
日本医科大学付属病院放射線科では3台の1.5テスラMRI装置が運用され、最新鋭の3テスラ装置が稼働を始めます。日常臨床・検査では文字通り頭から足までを対象としたMRI検査が施行され、放射線専門医がCTなどで培った読影力とともにMRIの基礎や利点などを考慮してMRI画像を読影しています。この専門医の中には米国有名大学や国内の脳神経センターに留学した経験を有するスタッフもいます。
当科では、日常業務の最中および他診療科や他施設とのカンファレンスを通じて、専門医取得前の医師にMRI検査の原理や進め方、読影法を教育しており、加えて教育的な症例を復習しています。研究面では、心筋症を中心とした心臓MRI、胸・腹部MRA(MR血管撮影)の新技法の開発、および造影剤を用いたMRIによる腹部腫瘍の治療効果判定がさかんに行われています。また、脳腫瘍の各種治験、軟部腫瘍の手術適応、関連企業の研究業務などを支えています。これらの研究の成果は最近5年間に限っても国際学会発表約10演題、国際的雑誌での掲載論文数約20編を数え、内外で高い評価を得ています。

乳房撮影(mammography)

乳房撮影検査とは、乳房のX線撮影のことでマンモグラフィーと呼ばれています。
乳房は柔らかい組織で出来ているために、専用の装置を用いて撮影します。
マンモグラフィーは触知不能な乳癌も検出することが出来る感度の高い検査方法です。
当院では、2000年よりデジタル乳房X線撮影装置を設置しています。
この装置はフラットパネル型デジタル・ディテクタを採用し、従来のフィルム/スクリーンによる撮影システムを超える高画質と、少量の照射量でも顕著な病変検出能力を有します。この装置は乳房など軟部組織の微妙な濃度差を画像化できるため、従来のマンモグラフィー装置では描出の難しかった若い人や、乳腺量の豊富な乳房等が低被曝で撮影でき、微細な石灰化、小腫瘍などの早期乳腺疾患の発見・診断に役立っています。
現在、日本医科大学付属病院では乳癌検診の二次精査や乳房腫瘤の良悪性鑑別診断(穿刺吸引細胞診、針生検)などを主に行っています。
乳腺外科-病理部-放射線科との緊密な連携により、診断、治療のいずれにおいても十分な知識と技術をもち、患者さんごとの病態に応じエビデンスに基づいた個別化を目指しています。そして、本邦においての乳癌診断・治療に中心的な役割を果せるよう日々努力しています。
本モダリテイにおける研究活動は、フラットパネル型デジタル乳房X線撮影を用いることよる被曝低減、微細石灰化の描出における画質評価の研究などを行なっております。

お問い合わせ

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TEL: 03-3822-2131(代表)

夜間・休日救急外来
TEL: 03-5814-6119
(午後4時00分~翌日午前8時00分・土曜:午後2時00分~翌日 午前8時00分)

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