PET /CT検査
日本医科大学千葉北総病院では2024年5月より、PET/CT検査を開始します。
PET/CT検査には、
・FDGを用いるPET/CT(FDG)検査
・アミロイド製剤を用いるアミロイドPET検査
のふたつがあります。
PET (Positron Emission Tomography) とは
体内に注射されたわずかな量の放射性物質(FDGあるいはアミロイド製剤)の分布を調べる画像検査であり、PETカメラとCTが合体したPET/CT装置で撮像します。
PET/CT装置(Discovery IQ)
検査室内、待機エリアともにミントグリーンを基調とした穏やかな空間です。
FDGを用いるPET/CTについて
FDGはブドウ糖にフッ素‐18〔18F〕という放射性同位元素を付けた構造であり、ブドウ糖とほぼ同様の性質を持ちます。活発ながん細胞は、正常細胞より何倍も多くのブドウ糖を取り込みます。同じ仕組みでがん細胞に多く取り込まれるFDGを画像に映し出す検査がPET/CT(FDG)であり、他の画像検査では見つけられない小さな「がん」の発見の威力を発揮します。
PET/CT(FDG)は全身を高精度に検査する安全なシステム
1回の検査でほぼ全身を見渡して、がん細胞の位置や大きさ、他の臓器への転移がないか、治療中の効果、治療後の再発がないかを調べます。
安全で身体的な負担が少ないことも大きな特色です。FDGに対するアレルギー反応はほとんどおこらず、110分程度の半減期で体内から消えてゆきます。PET/CTの放射線被ばくは胃のバリウム検査の1~4回分程度であり、放射線障害を心配するレベルではありません。
PET/CT(FDG)で見つけやすいがん
頭頚部・甲状腺・肺・乳房・食道・大腸・膵臓・子宮・卵巣などのがん。悪性リンパ腫、悪性黒色腫、骨腫瘍など。
一方、FDGが集まりにくい胃や肝臓・胆道がんや正常でもFDGが集まりやすい脳・心臓・腎臓・尿管・膀胱・前立腺などのがんはPETでも見つけにくいといわれています。
●妊婦や授乳中の方は原則として受けられません。
●血糖値が高いと検査を受けられないことがあります。
●検査時間は90分から3時間程度です。
PET/CT(FDG)の保険適応
分類 | 説明 |
---|---|
悪性腫瘍 | すでに「がん」の確定診断はされているが、他の検査や画像診断により病期診断、転移・再発の評価ができない場合(早期胃がんを除く) |
その他 | 一部の難治性てんかんや心疾患、血管炎など |
当院では、連携医療機関様からの「悪性腫瘍の診断のための保険適応のPET/CT(FDG)検査」のご依頼を積極的にお受けします。「その他」の検査に関しては、別途ご相談ください。
保険適応の場合の費用(患者さん負担分)
保険が3割負担の方:25,000〜31,000円 / 1〜2割負担の方:9,000〜20,000円
※自費での検査の費用は異なります。
医療機関様からのPET/CT(FDG)検査ご依頼の流れ
※患者さんご自身からのご依頼は受けていません。ご希望のある方はかかりつけ医にご相談ください。
⑴PET/CT(FDG)検査依頼票(診療情報提供書[様式1-1,1-2]) (PDF)
をクリックしてダウンロードしてください。
内容を記載してください。不明箇所は空欄で構いません。
2ページ目最終欄の検査予定日は空欄にしてください。
⑵記載完了後に、日本医科大学千葉北総病院・医療連携支援センターまでFAXをしてください(FAX番号:0476-99-1991)。
記載内容が保険適応の判断に不十分である場合には、検査室から電話で問い合わせいたします。
⑶医療連携支援センターから検査予定日をFAXあるいは電話でお伝えいたします。
PET/CT(FDG)検査依頼票(診療情報提供書[様式1-2])の最終欄に確定した検査日時の記載をしてください。
⑷PET/CT(FDG)検査をお受けになる方へ[様式2] (PDF)
をクリックしてダウンロードしてください。
予約日時、貴院の情報などの空欄を記入してください。
項目に沿って、患者さんに検査に関する説明をお願いします。
⑸日時記載済みの
PET/CT(FDG)検査依頼票(診療情報提供書[様式1-1,1-2])
PET/CT(FDG)検査をお受けになる方へ[様式2]
を患者さんにお渡しいただき、当日持参するようご説明ください。
⑹医療連携支援センターから患者さんのご自宅へ、予約内容・受付時間などを記載した予約票および説明用紙を郵送します。
⑺検査終了後、読影報告書(診療情報提供書)と画像データのCDRをFAXおよび郵送でお送りします。
自費検査のPET/CT(FDG)検査ご依頼の流れ
※現在準備中です。
アミロイドPET検査について
アミロイドβに対する抗体という新しいメカニズムを持った、アルツハイマー病治療新薬であるレカネマブ(販売名:レケンビ®)が、2023年12月20日に発売され、当院の認知症疾患医療センターでもレカネマブ治療を開始しました。
レカネマブ治療に関するお知らせ:当院における ヒト化抗ヒト可溶性アミロイドβ凝集体モノクローナル抗体「レケンビ®点滴静注」による治療|日本医科大学千葉北総病院
アミロイドPETは、レカネマブを投与できるかどうかの判断に必要な「脳内にアミロイドβが蓄積しているかどうか」を評価するための検査です。
他医療機関様からのアミロイドPET検査のご依頼に関しては、お受けできるように現在準備中です。詳細が決まり次第、ホームページ上に公開します。
お問い合わせ先
放射線センターPET検査室
0476-99-1111(代表) 内線(2048)