診療内容

扱っている疾患

甲状腺疾患

悪性腫瘍、良性腫瘍、バセドウ病、橋本病、亜急性甲状腺炎、急性化膿性甲状腺炎など内科的・外科的甲状腺疾患を幅広く診療しています。

1.乳頭癌
甲状腺癌の中で最も頻度の高い低リスクの乳頭癌の場合、基本的にはできるだけ甲状腺を温存した手術を行っています。ただし、本邦のガイドラインでは高リスク乳頭癌に対して,甲状腺全摘術(+術後放射性ヨウ素内用療法、甲状腺ホルモン療法)が推奨され、患者さんへの十分な説明と同意(インフォームド・デシジョン)のもとに治療方針を決定しています。 乳頭癌のリンパ節郭清は、術前診断(頸部超音波やCT)でリンパ節転移が明らかでない症例では気管周囲(中心領域)郭清にとどめ、リンパ節転移が明らかな場合はその領域の保存的郭清手術を行います。

2.微小乳頭癌
腫瘍径1cm以下の無症候性(転移・浸潤のない)微小乳頭癌は、とくに性質がおとなしく生涯無 害に経過する可能性もあるため、手術のほかに、手術せずに経過観察する方法も選択肢として提示し、十分な説明と同意のもと患者さんのご希望に応じて対応しています。

3.濾胞性腫瘍(濾胞腺腫、濾胞癌)
超音波検査や細胞診による鑑別困難な濾胞性腫瘍に対しては、臨床所見にあわせて治療方針を決定しています。

4.髄様癌
髄様癌については、遺伝子診断に基づき家族性髄様癌や多発性内分泌腫瘍症(MEN)の可能性も含めて、診療にあたっております。

5.手術合併症
・術後出血
・反回神経麻痺,上行神経外枝麻痺
・甲状腺機能低下症
・副甲状腺機能低下症
・乳び漏
・頸部違和感,感覚異常 など

6.その他の甲状腺疾患
良性甲状腺結節(濾胞腺腫、腺腫様甲状腺腫)については、進行性に増大する充実性結節、機能性結節、縦隔に進展するもの、濾胞癌との鑑別が困難な場合などに手術適応としています。 バセドウ病、橋本病、亜急性甲状腺炎、急性化膿性甲状腺炎などの診療も適切に行っております。

副甲状腺疾患

原発性副甲状腺機能亢進症透析による続発性(腎性)副甲状 腺機能亢進症を治療対象としています。 原因不明の高カルシウム血症、治療に抵抗し繰り返す難治性の尿路結石症、骨粗しょう症や病 的骨折などの症状がある場合は原発性副甲状腺機能亢進症の可能性があります。透析患者さんにおける耐え難い全身の掻痒感、筋力低下、骨痛などは続発性副甲状腺機能亢進症の典型的症状です。原発性副甲状腺機能亢進症では、多くの場合、副甲状腺の良性腫瘍(腺腫)が原因となります。手術前に最新の機器を用いて確実な局在診断を行って、手術に臨みます。

主な検査内容

甲状腺機能検査,副甲状腺機能検査
超音波検査,CT検査,シンチグラフィー,MRI, PET-CT
穿刺吸引細胞診,遺伝子検査

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「内分泌外科」

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