部門紹介

調 剤 室

   調 剤 部 門(内服・外用)

      処方せんに記載された医薬品の用法、用量、処方日数、薬物相互作用、検査値等を確認した後に調剤を行います。

医師の処方に対して疑問点図C1-3があれば、そのつど医師へ確認を行います(疑義照会)。調剤室では、名称が似ている医薬品には調剤棚に「名称注意」、複数の規格がある医薬品には「規格注意」といった注意内容を掲示し注意喚起しています。また、ピッキングサポートシステム(PORIMS:Patient Oriented Risk Management System)を導入し調剤過誤防止に努めています。調剤が完了した医薬品は、処方せんに記載された正しい医薬品が正しい数量で調剤されているかを別の薬剤師が最終監査(監査者)した後、患者さんに提供され交付されます。

   調 剤 部 門(ヒート調剤・水剤)

      患者さんの目線のわかり易い調剤を目指しています。

図C1-7投与間隔は適切か、お薬に添付する詳しい説明書等の確認も含めて調剤時に患者さんの目線に立った、わかり易い調剤を心掛けています。
錠剤が服用困難な小児や高齢者にシロップ剤(水剤)の秤量にも適切な用量で処方されているか、また組み合わせが問題ないか(配合変化)等の確認も行っています。

   調 剤 部 門(散剤・一包化)

   ❖   患者さんにとって服用しやすい形態・剤形(散剤・一包化)で調剤し交付します。

図C1-9   図C1-10
小児や細かい用量調節が必要な患者さんには、粉薬を1回服用分に分包して患者さんに交付します。
また高齢者など、薬を1回ごとに分包した方がアドヒアランス向上が見込める患者さんには、一包化調剤にて交付しています。新しい全自動錠剤分包機(LitreaⅣ-VC)を導入し、業務の効率化を図っています。

注 射 室

   注 射 部 門(入 院)

      注射セットは個別セット、1施用毎の調剤を実施し、用法・用量、投与部位、投与速度、配合変化など多角的な監査を実施し交付します。

図C2-3a   図C2-3b
注射薬の供給に関しては、院内の電子カルテのオーダリングにより医師が入力した処方に基づき、入院患者の1日分の注射薬を個人毎にセットし、配合変化の有無、施用手技(用法)や投与速度の適否について確認を行った後、病棟へ注射薬を払い出しています。注射処方箋には検査値を記載し、患者の状態に合わせた正確な処方監査を実施しています。注射薬における患者の取り違え防止や指示変更による誤投与防止といった医療過誤防止に努めています。

      注射部門では他の診療科で処方されたお薬との重複や相互作用、内服薬と注射薬との重複や相互作用、休薬期間などをチェックし、病棟薬剤師と連携し副作用回避にも尽力しています。

図C2-5   図C2-6
注射部門では電子カルテと連動した部門支援システムを導入しております。これにより同一処方せんの中だけでなく、他の診療科で処方されたお薬との重複や相互作用、内服薬と注射薬との重複や相互作用、休薬期間などのチェックが可能です。
また、病棟薬剤師と連携しながら副作用が疑われるような症例には積極的なアドバイスや意見交換を実施し、副作用回避や未然に防ぐ努力を日々しております。

麻薬管理室

   麻 薬 管 理 室

      医療用麻薬の適正管理と使用に、薬剤師が主体となって努めています。

医療用麻薬は、手術中と術後の鎮痛・図C3-3鎮静、がん性疼痛、その他の激しい痛みに対して、または検査時の鎮静目的や全身麻酔など医療現場で実に多岐に渡って使用されています。
麻薬管理業務は、これらの状況に滞りなく院内で対応する為に「麻薬及び向精神薬取締法」を厳守し、麻薬管理責任者のもと医療用麻薬の購入から払出、施用確認、返却残薬の確認及び廃棄などを行い、処方せんによる払い出しの記録の作成(麻薬帳簿)、院内で起きた麻薬事故の県への届出など院内すべての医療用麻薬の管理をしています。定期的に医療安全管理室、医薬品安全管理委員会と連携して院内の巡視を行い、各部署で適切に管理されているかを確認し、指導しています。

医薬品情報室

   医薬品情報室(Drug Infoumation:DI室

      医薬品情報室では、医薬品に関わる情報の収集と専門的な視点による評価を行い、医療従事者に対して的確な情報提供を行っています。また、副作用情報の収集や報告も実施しています。

医薬品情報室は、医図C4-3薬品に関わる様々な情報を取り扱う部署で  す。効能・効果および副作用・相互作用などの添付文書情報の  改訂や、新医薬品に関する情報に加え、医薬品の供給状況とい  った、医薬品の適正使用に不可欠となる情報が日々もたらされ  ます。医薬品情報室では、これらの情報を収集し、専門的な視  点からしっかりと評価したうえで、医師・薬剤師をはじめとし  た医療従事者を中心に、情報提供や問い合わせへの回答を行っ  ています。また、病棟薬剤業務に従事する薬剤師と連携して、  院内で発生した副作用情報を収集し、厚生労働省や製薬企業へ  の副作用報告を実施しています。
そのほか、医薬品の新規採用・採用中止などを審議する薬事委員会の事務局を担当しています。新規採用薬と同効薬の比較及び既存薬の使用状況等を調査し資料として情報提供することにより、新医薬品の導入と使われなくなった医薬品の整理を促すことで、採用品目の適正化に寄与しています。

輸液療法調製室

   輸 液 療 法 調 製 室

      抗がん剤治療のレジメン管理、薬物療法の説明や副作用対策の説明を行っています。

入院および外来図C5-3化学療法で用いる抗がん剤の調製は、全て安全キャビネット内で、無菌的に行っています。院内で審査・登録されたレジメンに基づいて、抗がん剤の投与量やスケジュール、検査値の確認を行い、抗がん剤による治療が安全かつ適正に行えるように支援を行っています。調製の際には、被爆対策としてガウン、手袋、マスク、キャップを着用して行っています。薬剤師が迅速、正確に調製することで、医薬品の品質確保(配合変化や安定性)に貢献しています。

図C5-5

外来化学療法室内に薬剤調製室があり、2~3名の薬剤師が常駐することで、臨床現場での薬剤業務を心がけています。患者さんの治療に寄り添い、レジメンの説明書を配布しながら点滴スケジュールや効果、副作用やその対策について説明しています。薬剤師の専門性を活かし、安心して治療を受けていただけるよう、医師、看護師、他のスタッフと連携して薬物療法に取り組んでいます。

製 剤 室

   製  剤  室

      既存の医薬品では対応困難な場合や希少疾患に対応する為に院内製剤として申請し薬物治療に貢献しています。

図C6-3

既存の医薬品では対応困難な場合や希少疾患に対応する為に院内製剤として作成し薬物治療に貢献しています。院内製剤とは、市販の医薬品では対応できない様々な臨床のニーズに対応するため病院内で独自に作っている特殊製剤をいいます。医療上重要でありながらも、国内で市販されていない「注射剤」、「点眼」、「軟膏剤」などの調製や、国内で市販されている医薬品であっても、個々の患者さんに最も適した濃度、量、剤形への変更を行い薬物療法に寄与しています。
院内製剤を医師が治療に使用したい場合には、院内倫理委員会でその製剤の安全性、有効性、倫理的配慮等について審議され、承認される必要があります。倫理委員会で承認された院内製剤だけが薬剤部で調製され、患者さんへの十分な説明と同意を得た上で治療に使用されています。

   製  剤  室(TPNの無菌調製)

      高カロリー輸液(TPN)を無菌的に臨床ニーズに合致した内容に調製します。

図C6-6

注射薬混合調製業務では、中心静脈投与として 入力された高カロリー輸液のうち、既成薬剤では対応できない組成輸液の注射処方オーダーをクリーンベンチ内で無菌的に調製し、病棟へ供給しています。患者さんの状態や病勢に応じた調製の必要があり、病棟薬剤師と連携しながら日々の病態を確認して調製しています。

病棟薬剤業務室

   救命救急センター・集中治療室

      瀕死に直面した患者さんを救命するチーム医療の一員として日々研鑽

図C7-3   図C7-4

救命救急センターは、生命の危機に瀕した重症患者が昼夜を問わず搬送される部門です。短時間で多くの治療や処置が行われるため、多職種連携による「チーム医療」の必要性が高く、薬剤師もその一翼を担っています。患者さんの日々の病態変化が著しく、劇的に変化していくので日々の患者さんのサインを見落とさないよう、またカンファレンスへも参加し、積極的な薬学的介入を行い、薬物治療の提案や医師との治療方針の確認に努めています。最適な薬物治療を提供すべく、日々知識のアップデートも欠かせません。1人でも多く重症の患者さんを「救う」ことができるよう薬剤師も日々研鑽を積んでいます。

   病 棟 薬 剤 業 務 室(チーム医療)

      診療科のカンファレンスへの参加、今後の薬物治療についての協議など医療者との連携を大切にし、チーム医療を実践しています。

図C7-7

医師、看護師をはじめ他職種と連携しながら、患者さん個々の有効かつ安全な薬物治療に貢献できるよう、日々コミュニケーションを大切にしながらチーム医療を実践しています。
また感染制御チーム(ICT)、栄養サポートチーム(NST)、緩和ケアチーム、褥瘡対策チーム、認知症  ケアチーム等の一員として、薬剤師の専門性を発揮しています。

   病棟薬剤業務室(病棟活動)

      一般病棟の全てに薬剤師を配置し、病棟活動を行っています。

図C7-10入院後は、指示簿のチェック、内服・注射薬の薬物療法の適正化とその支援、化学療法のレジメンチェック、医療スタッフへの情報提供などを行っています。
患者さんが安心して服薬できるよう、医薬品の効果や副作用とその対処方法について、丁寧な服薬指導を心がけています。
医薬品の使用後、効果や副作用、検査値等を確認し、適切な薬物療法が行われるよう医師に対して必要に応じて処方提案を図っています。


図C7-11
入院された患者さんと面談し、持参いただいた医薬品、市販薬・健康食品等の服薬状況の確認を行っています。
持参薬確認時にアレルギー歴、副作用歴等の確認も併せて行い、入院後に予定される治療が安全に行えるかを評価しています。


図C7-13   図C7-14

退院時には、退院後の生活に合わせた安全かつ適正な薬物治療が続けられるように薬の説明を行っています。患者さん個々の薬に関する入院時の経過や詳細な情報は「お薬手帳」に含まれています。
病棟業務は臨床薬剤師としての中心的な業務です。当院ではチーム制を組み、チーム内でフォローし合いながら患者さんの薬物治療の支援を行っています。薬剤師が病棟で薬物治療の安全を担保できるように日々取り組んでいます。

薬剤師外来(入院前お薬確認)

図2
図3

図8全予定入院患者さんと面談を行い、入院前にお薬手帳や薬剤情報提供書文書などの情報をもとに、使用薬剤・サプリメントなどの確認を行います。

図9
手術を予定されている患者さんについては、術前に休薬が必要な薬剤の有無を確認し、該当薬剤名と休薬推奨期間などについて、カルテに報告を行います。医療スタッフへ情報提供を行うことで安全に手術を行えるよう支援しています。