診療録管理室

11736194158 診療記録とは、診療経過の記録であると同時に診療報酬請求の根拠でもあります。診療の事実に基づいて必要事項を適切に記載しなければ、診療記録に記載されていない医療行為は実施されなかったものとされ、診療報酬を請求することはできません。電子カルテの導入によって診療録管理の内容は大きく変化しました。私は、入れ物 としての電子カルテを整備するだけでは不十分で、その内容も整備されていなければならないと考え、診療録管理室のスタッフを中心に診療記録の内容を監査・評価してきました。 診療記録の内容はレセプト上ではチェックの行いようがない部分であり、日ごろから診療録管理室が主体となり、量的及び質的点検、点検結果に基づく現場へのフィードバック等を行っています。
 理想的なカルテとは、たとえば、①記載内容について患者・家族が読んでも理解できる ようにわかりやすく記載されている。②主病名・疾病名が適切に記載されている。医師は 患者の問題を把握し、記録している。診療プロセス(経過)や評価が第三者に理解できる ように記載されている。③治療計画が記載されている。④指導報告書(服薬指導・栄養指導等)、実施報告書が適切に添付されている。⑤検査・画像所見の内容及び結果が正しく記載されている。⑥多職種にわかるよう情報の共有化のために、外国語・略語の乱用がない。⑦医療従事者間の記録内容に食い違いやかい離がない。⑧医学管理料の指導内容の記載など、算定要件となる正しい記載がある。いかがでしょう?言うは易しですが、これらを日々きちんと記載していくことは 必ずしも容易なことではありません。当院が、これからも地域において安心安全な医療をお届けできるように、診療録管理の立場からも努めていく所存です。

日本医科大学千葉北総病院 院長補佐
医療情報室・診療録管理室 室長 秋元 正宇