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母体血胎児染色体検査(NIPT:無侵襲出生前遺伝学的検査)を検討されている妊婦さんへ

日本医科大学武蔵小杉病院 女性診療科・産科では、NIPT:無侵襲的出生前遺伝学的検査を外来で行っています。当院は日本医学会 出生前検査認証制度等運営委員会(※1)により公式に認証された「認証施設」(※2)です。当院は出生前検査認証制度等運営委員会より、「NIPTを実施する医療機関(基幹施設)」(※2)に認証されています。NIPTをご希望の方は、当院で分娩される方に限定させていただいており、外来担当医にお問い合わせ下さい。

母体血胎児染色体検査(NIPT)とは?

本検査は、妊婦さんから血液を採取し、血液中を浮遊しているDNA断片を分析することで、赤ちゃんが21トリソミー(ダウン症候群)・18トリソミー・13トリソミーであるかどうかの可能性を検査します。当院は認証を受けた基幹施設であるため、1染色体の異数性(トリソミーかそうでないか)しか分かりません。NIPTは出生前遺伝学的検査の1つであり、出生前検査の遺伝カウンセリング(赤ちゃんや出産、その後のフォローアップに関して、患者さん・ご家族と一緒に考える)において取り得る選択肢の1つにすぎません。ですから赤ちゃんの染色体疾患を確定できる検査ではありません(非確定的検査という位置づけの検査です)。結果が陽性であった場合には、確定診断のための羊水検査が必要になります。

NIPTの受検が選択肢となる妊婦さんは?

  1. ご年齢に関係なく、検査をご希望される方は検査可能です。
  2. 検査(採血)を行う妊娠週数は妊娠10週0日から13週6日とします。
  3. 検査を検討するための遺伝カウンセリングと、検査を実施した場合の検査後の遺伝カウンセリングには、必ず本人と夫もしくはパートナー(胎児の父親)の二人で受診していただきます。初回採血と2回目の結果説明とともに、二人で来られない場合には検査はできません。

NIPT 初回カウンセリング+検査
 原則的に水曜日・金曜日午後(初回は約1時間)
 ➀13:30~
 ➁14:15~
 ➂15:00~

NIPT 結果外来
 水曜日・金曜日午後
 ➀15:45~
 ➁16:00~
こちらの時間に来られない場合には個別対応も行わせていただきますが、検査検体提出や外注業者への連絡などが生じるので、個別にご相談ください。

料金
保険適応外の全額自己負担(自費診療)にため初回カウンセリング、血液検査、2回目の結果説明等にかかる再診料、カウンセリング料など併せて約18万円かかります。
結果は1週間後になります。3回受診する施設もありますが当院は2回です。

(※1)【NIPTをお考えの皆様にまず知っておいていただきたいこと】
  • 日本医学会出生前検査認証制度等運営委員会(以下、運営委員会)」は、出生前検査を受ける妊婦さんとパートナーへのサポート体制、遺伝カウンセリングや検査の質や正確さをより確かなものにするための組織です。2021年、国の専門委員会「NIPT等の出生前検査に関する専門委員会」の報告書に基づき、日本医学会の下に設けられました。こども家庭庁と連携して活動しています。運営委員会のウェブサイト:「一緒に考えよう、お腹の赤ちゃんの検査」https://jams-prenatal.jp/妊婦さんやご家族のためのサイトです。出生前検査の種類や受けた方、受けなかった方の生の声、相談先、生まれながらに病気のあるお子さんとの暮らしや福祉についての情報を提供しています。
  • この運営委員会では、妊婦さんおよびご家族の皆様にとって、安心と信頼に足るNIPTの提供ができる医療機関および検査分析機関の施設認証を行っています。当院は、認証を受けている医療機関の1つです。

  認証施設一覧: https://jams-prenatal.jp/medical-analytical-institutions/

(※2)【私たちの施設は日本医学会出生前検査認証制度運営委員会により公式に認証された認証施設です】
  • 私たちの施設は、上記の運営委員会が策定した「NIPT 等の出生前検査に関する情報提供及び施設(医療機関・検査分析機関)認証の指針」の要件を満たしています。
  • 当施設は、自施設でNIPTの実施と検査後のフォローまですべてに対応可能な「基幹施設」として認証されています。
    認証施設についての詳細はこちらをご覧ください。

  https://prenatal.cfa.go.jp/certification-facility/introduction-of-certified-facilities.html

私たちが提供するサービス

1.検査を受けるべきか迷っているあなたへ

  • 私たちは、検査を一方的に勧めるあるいは抑制するのではなく、検査の利点と限界を全てお伝えし、それぞれの方が納得して選択できるようお手伝いします。
  • 不安な気持ちにも寄り添います。
  • 遺伝カウンセリング後に検査を受けない選択も尊重します。


2.検査に不安を感じているあなたへ

  • 検査の前後で、専門家がわかりやすく丁寧にしっかり時間をかけて遺伝カウンセリングを行い、納得して自分たちの結論を導くことを支援しています。
  • どのような結果が出て、それに対してどのような判断をするとしても、最後まで対応します。
  • 当施設で対応する主な専門家は、学会が正式に認定する臨床遺伝専門医(日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会認定)、出生前検査に関する研修を修了している産婦人科医(日本産科婦人科遺伝診療学会による認定)、認定遺伝カウンセラー、遺伝看護専門看護師となります。(それぞれ担当者の氏名と保有資格を明記、施設ごとに対応する職種を選択)多職種で多角的に妊婦およびご家族を支援します。
  • 出生前コンサルト小児科医(日本小児科学会認定)が、生まれてからのケア(医療や福祉のことも含め)について詳しくお話しします。(https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=419)
    (当該施設における出生前コンサルト小児科医:田嶋華子)

3.羊水検査等の提供
確定的検査が必要となる場合や確定的検査を希望される場合には、当施設で羊水検査を提供できる体制を構築しています。

4.包括的な産科・周産期診療の一連の流れとしての出生前検査の提供
 当施設では下記のような医療、支援を提供できる体制を構築しています。

  • NIPT だけでなく、妊娠継続時は妊娠中の様々な不安や懸念にも、出産まで対応します。
  • NIPT検査前または検査後に超音波検査で何か異常が見つかった場合の対応も含め、多職種でのサポートを提供します。
  • 必要なときには、出生後にお子さんの治療にあたる小児科・小児外科などの専門科と妊娠中から連携します。また、臨床心理士や社会福祉士などもかかわり、多職種が協力して身体面、社会面、心理面でサポートしていきます。
  • 私たちは、21トリソミー(ダウン症候群)・18トリソミー・13トリソミーを含む、障がいを持つ方々に対する差別を防止し、すべての人が共存できる包括的な社会の実現というノーマライゼーションの理念に基づく医療の提供を目指しています。
私たちが行っていないこと
  • 遺伝カウンセリングなしの検査は実施しません。出生前検査は、検査そのものや、検査によって得られる結果を正しく理解し、その後の計画を考えていくなかで、さまざまな心配や迷いが生じやすい検査です。そのため、妊婦さんとパートナーのために、出生前検査の専門家による充実したサポート体制のもと実施することが大切であると認識しています。遺伝カウンセリングは妊婦さんとパートナーが正しい情報のもとにそれぞれのお考えで判断できるようお手伝いするもので、決して検査を止めようとするものでも勧めるものでもありませんので安心してお受けください。
  • 21トリソミー(ダウン症候群)18トリソミー、13トリソミーのみを検査の対象としています。これは検査精度、安全性、そしてその医学的意義を考慮した結果です。

令和7年6月1日

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