脊椎(Spine)

 脊椎には体を支える柱の役割と脊髄神経を保護する役割があります。脊椎の加齢性変化や外傷、感染、腫瘍により、首や背中、腰の痛み、手足のしびれや痛みをきたすことがあります。また脊髄が圧迫されることにより、細かな動作がしづらくなることや、歩行障害、排尿障害が出現することもあります。
 こうした症状の原因を明らかにして治療を行うことが、患者様の生活の質(QOL)向上につながります。当院ではX線、CT、MRI検査、脊髄・神経根造影検査など各種検査を行い、正確な診断のもと最適な治療を提案しております。運動療法、薬物治療、ブロック注射、装具療法といった保存加療を行っても症状が改善しない場合は、顕微鏡や外科用透視装置を使用した脊椎手術加療を行っております。
 主に頚椎領域では、頚椎症性脊髄症や頚椎後縦靭帯骨化症に対して頚椎椎弓形成術(図1)を行い、良好な治療成績を得ております。また、頚椎椎間板ヘルニアに対しては顕微鏡下で頚椎前方除圧固定術(図2)を行っております。こうした頚椎手術の多くは、術後数日から2週間で自宅退院が可能となっており、長期間のカラー固定も不要です。
 腰椎領域では、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアに対して顕微鏡下で腰椎椎弓切除術(図3)や腰椎椎間板ヘルニア摘出術(図4)を行い、こちらも術後数日から2週間程度で自宅退院を可能にしております。
 脊椎に不安定性がある症例や、脊柱変形の強い症例に対しては金属インプラントを用いた脊椎固定術(図5)を行い、脊柱の安定および変形矯正を目指しております。その他、脊椎脊髄の外傷、感染、腫瘍性疾患についても、積極的な手術加療を行うことにより患者様の除痛と早期離床、社会復帰を目指しております。脊椎図1脊椎図2脊椎図3脊椎図4脊椎図5