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チーム医療と看護師の役割

NSTチーム

*NSTとは多職種で患者さんの栄養管理を行うチームのことです。
 毎週の回診と、定期的な学習会を行っています。

NSTチーム

活動内容

  • 週1回のNST回診において、患者さんの病状と栄養状態を確認します。
    標準体重や病気によってかかる身体的なストレスから、エネルギーの消費量や必要カロリーを計算します。実際に摂取できているカロリーや栄養素との差がなくなるように、栄養剤の変更、患者さんの嗜好を取り入れるなど食事内容の工夫ができないか検討します。
  • 栄養方法の検討をします。
    患者さんの栄養摂取方法は、中心静脈栄養、経管栄養(経鼻、PEG)、経口摂取など様々です。病状にもよりますが、できるだけ早く腸管を使った栄養摂取ができないか考えます。そして、「口から食べる」ことに近づけられるように日々のケアを行っています。
  • そのほかに定期的に学習会を行っています。
    「栄養評価や栄養管理」「摂食・嚥下障害機能スクリーニングと適切な食事介助」「口腔ケアについて」などです。

褥瘡対策チーム

 当院では、皮膚科医・形成外科医・看護師・薬剤師・栄養士・理学療法士・中央検査技師・医事課職員・資材課職員が連携して、褥瘡対策におけるチーム医療に取り組んでいます。各病棟1名以上のリンクナースがおり、チーム活動の中核を担っています。

活動内容

  • 月1回、褥瘡対策委員会・褥瘡対策ケア委員会開催
  • 褥瘡発生率や発生要因・有病率の共有
  • 医療関連機器圧迫創傷発生率や要因・有病率の共有
  • 褥瘡対策における体制の整備や問題解決
  • 週1回の褥瘡回診
  • 褥瘡対策委員会主催勉強会(年2回以上)開催
  • リンクナース主催勉強会(年3回以上)開催

看護師の役割

 一番身近に患者さんと接している病棟看護師は、褥瘡発生危険因子の評価、褥瘡の発生要因を考慮して皮膚の観察を行い、体位変換や姿勢調整、スキンケア、栄養サポートなどのケア提供者であり、褥瘡予防や早期発見に重要な役割があります。また、褥瘡のある患者さんが、早期に治癒に向かうよう褥瘡対策チームと連携してケアを行います。さらに、褥瘡予防や退院後も治療が必要な患者さんに対しての継続ケア、指導を行います。
 このように、他職種で連携し、褥瘡対策チームとして日々の褥瘡に関わるケアを行っています。

緩和ケアチーム

 当院は、東京都がん診療連携拠点病院として、病気の診断時から全経過を通して緩和ケアに積極的に取り組んでいます。緩和ケアは、患者さんに認められる身体や心のさまざまな苦痛を和らげ(解放する)、自分らしく生き、生活の質を維持させるためのケアです。

活動内容

 当チームは医師、看護師、薬剤師、公認心理士などで編成しています。活動は、それぞれの専門性を活かし患者さん、ご家族の方々との関わりを大切にして、患者さんそれぞれが、症状のコントロールや治療を選択し自分らしく生活できるよう、緩和ケアチーム回診、緩和ケア外来で支援します。また、日々治療やケアに邁進している医療スタッフの支援も行っています。

看護師の役割

 患者さんとご家族の意向に沿ったケアや治療の提供、身体に出現している症状緩和や療養の場が選択できるように、担当医や地域との架け橋となる役割を担っています。
 多方面に亘るつらさが緩和できるようサポートしていきますので、ぜひお気軽に緩和ケアチームをご活用いただけますと幸いです。

呼吸サポートチーム(RST:Resperatory Support Team)

 平成24年7月より救急救命科医師、看護師(集中ケア認定看護師・救急看護認定看護師)、理学療法士、臨床工学技士などからなる呼吸ケアサポートチームを編成しています。

活動内容

 「人工呼吸器からの早期離脱」をはじめ、「安全面」や「呼吸ケアの質向上」に向けて活動しています。
 週に一回、メンバーにより一般病棟において、人工呼吸器を装着中あるいは呼吸ケアを必要とする患者さんを回診し、人工呼吸器管理(安全面・鎮静・排痰。ポジショニング・呼吸リハビリテーション・栄養・口腔ケアなど)が適切になされているかを確認し、アドバイスを行います。
 また、要望に応じて、病棟スタッフに対する小講義や機器・物品類などの紹介説明などを行い、院内の呼吸ケアの標準化を図り、職種の専門分野を活かした講義や勉強会を開催し、知識と実践の両面から呼吸ケアのレベルアップを目指しています。

看護師の役割

 RSTの中で看護師は、合併症予防におけるケアが適切かを評価する役割を担っています。口腔ケアや排痰ケア、体位管理などが適切に行われ、合併症なく早期に人工呼吸器を離脱できるよう、病棟看護師と連携してサポートします。

認知症ケアチーム

 認知症ケアチームは、医師(脳神経内科)・看護師(老人看護専門看護師)・医療ソーシャルワーカーで編成しています。

活動内容

 BPSD(認知症の行動・心理症状:Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)や、せん妄の発症予防や悪化防止、転倒などさまざまなリスクの管理、また認知症のある患者さんの、退院後の生活を見据えた情報提供などを中心に活動しています。
 BPSD・せん妄の予防としては、過剰な薬剤使用や身体拘束を避け、その人らしさを引き出すケアを重視しています。環境調整やかかわりの工夫のほか、その方に合ったアクティビティの実施に力を入れています。
 当院を利用する方々の中には、この地域で長く暮らしている人も少なくありません。これからもこの地域で暮らしていきたいと考えている方々が、認知症があっても安心して当院で医療を受け、そしてまた地域に戻れるよう、病棟スタッフのみならず精神科リエゾンチームや患者支援センター等とも連携しながら、患者さん・ご家族の方々を支援しています。

リエゾンチーム

 「一般病棟におけるせん妄や抑うつといった精神科医療のニーズの高まりを踏まえ、一般病棟に入院する患者の精神状態を把握し、精神科専門医療が必要な者を早期に発見し、可能な限り早期に精神科専門医療を提供することにより、症状の緩和や早期退院を推進すること」を目的としています。

精神科リエゾンチームの理念・存在意義
 ・精神科医療と身体的医療をつなぐ
 ・専門性をもって、さまざまな観点からの鑑別を大切にした治療・ケアを行う
 ・患者・家族のよりよい精神衛生を達成する
 ・スタッフの心身の健康にかかわり、勤務意欲の向上や燃え尽きの防止を目指す

看護師の役割

リエゾン精神看護専門看護師の役割
 ・精神看護アセスメントとケアの方針の決定
 ・患者への直接の精神看護ケア
 ・病棟看護師の患者対応に関する相談
 ・病棟看護師の心理的ケア(メンタルサポート)
 ・精神看護教育と専門看護師資格取得のためのガイダンス・指導
  (病棟スタッフへの教育・啓蒙、さらなる専門看護師の育成を促す)
 ・患者家族への対応に関する相談