診療内容

代表的な病気とけが

大腿骨頸部骨折

大腿骨頚部骨折は骨粗鬆症を有する高齢者が転倒した時に生じることが多い骨折で、寝たきりの原因や認知症発症のきっかけになることがあります。治療は多くの場合手術による早期手術、早期社会復帰が原則です。

橈骨遠位端骨折

橈骨遠位端骨折は、骨粗鬆症を有する中年女性または高齢者が転倒して手をついた時に生じることが多い骨折で、手首の痛みと変形が特徴です。治療は骨折の型によりギプスによる治療と手術による治療に分かれます。

骨粗鬆症

加齢により骨密度が減少し骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。日本には約1000万人以上の患者さんがおられ、増加傾向にあります。女性は閉経後から急速に骨密度が減少し骨粗鬆症になりやすいです。大腿骨頚部骨折、橈骨遠位端骨折、脊椎圧迫骨折などの原因となります。日常生活において注意が必要であり重度の骨粗鬆症では内服や注射などの治療が必要です。

変形性股関節症・変形性膝関節症

変形性関節症は、加齢などが原因で関節軟骨がすり減り関節痛を生じる病気です。治療は、初期では関節への負担を減らすなどの日常生活上の注意や筋肉トレーニングなどが基本ですが、中等度のものではこれらに加えてヒアルロン酸の関節注射などが行われます。さらに進行すると人工関節手術などの手術が必要になります。人工関節手術は近年めざましい発達を遂げた手術の一つで、歩行時の痛みが軽減・消失されます。

小児や若者の骨折

骨折は肘、腕、鎖骨、すねの骨などに多くみられます。骨折のずれを戻してギプスなどで固定します。手術は必要ない場合が多いですが、骨折部が大きくずれているときや成長軟骨の損傷がある時には手術が必要なことがあります。

手根管症候群・肘部管症候群

手根管症候群と肘部管症候群は、手首や肘などで神経が線維や骨などによって圧迫されて生じる末梢神経障害です。手根管症候群では親指と人差し指と中指がしびれ、肘部管症候群では薬指と小指がしびれます。飲み薬、局所の安静、ブロックなどで治療されますが、重症例では手術が必要になります。

骨・軟部腫瘍

骨・軟部腫瘍とは首から下にできる腫瘍のうち、内臓腫瘍と皮膚腫瘍を除いたものです。部位は、腕や脚のみならず胸壁、腹壁、骨盤、脊椎も含まれます。腫瘍が発生する組織は、骨、脂肪、筋肉、線維、血管、末梢神経などです。良性骨腫瘍には骨軟骨腫(外骨腫)、内軟骨腫、類骨骨腫、線維腫、線維性骨異形成、骨巨細胞腫などがあります。良性軟部腫瘍には脂肪腫、平滑筋腫、線維腫、血管腫、神経鞘腫などがあります。良性腫瘍に対しては日帰り手術や短期入院手術で対応可能です。

頚椎症性脊髄症

頚椎が年齢により変形してくると骨棘が出来たり、椎間板が後方にはみ出してくることにより脊髄の通り道である脊柱管が狭くなり、脊髄の圧迫がおこる人がいます。とくに生まれつき脊柱管が狭い人の場合に起こりやすいとされています。最初は手足のしびれで始まり、指先が動かしにくい、力が入りにくい、足元がふらつく、足を引きずって歩くなどの症状がでるようになります。お薬やリハビリで治療しても進行するときは脊髄の通り道である脊柱管を広げる手術をします。顕微鏡を使って2~3時間で終わる手術で決して危険な手術ではありません。大切なことは神経の病気の特徴として、我慢をしすぎると手術をしても治りにくい状態になってしまうことです。悪くならないうちに受診することをお勧めします。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは、脊椎の椎間板に損傷が加わりその一部が神経を圧迫することにより腰痛と脚の痛みを生じる病気です。飲み薬、安静、ブロックなどで軽快することが多いですが、重症例や早期の社会復帰を希望される場合手術も考慮されます。当科では顕微鏡を用いた3センチメートルの小さな切開で行う方法を採用しています。

脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症は、加齢などが原因で脊髄やその枝を取り囲んでいる硬い線維(靱帯)が厚くなり脊髄やその枝を圧迫することにより、脚のだるさや痛みを生じる病気です。長く立っていることや歩くことが困難になります。治療は、飲み薬、安静、装具、ブロック、点滴などで軽快することが多いですが、重症例では手術が必要になります。当科では顕微鏡を用いた3センチメートルの小さな切開で行う方法を採用しています。

外反母趾

足の親指が外側に曲がってしまう病気です。親指の付け根がはれて痛んだり、親指と人差し指が重なり靴が履けなくなったりします。親指の運動や装具などで治療されますが、重症例では手術が必要になります。

膝半月板断裂・靱帯断裂

半月板断裂や靱帯断裂はスポーツが原因でおこることの多い膝関節の外傷です。半月板損傷では裂けた半月板が関節に挟まれ強い痛みが生じることがあり手術が必要になります。靱帯損傷は手術をしないで治療することも多いですが、靭帯の種類や損傷の程度によっては手術が必要になります。

研究概要

検討内容

  • 骨粗鬆症患者の総合マネージメント
  • 大腿骨転子部骨折の手術手技
  • 骨転移患者の総合マネージメント
  • 新しい画像処理を用いた単純X線装置による骨転移診断
  • 肺癌骨転移の画像診断
  • 有痛性軟部腫瘍の画像診断
  • 手足の内軟骨腫に対する小侵襲内視鏡手術
  • 手指軟部腫瘍の最適な診断と治療

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