3つのポリシーとコンピテンス・コンピテンシーの見直しについて 

 コロナパンデミックによる社会の変化、テクノロジーの進歩、医学教育モデル・コア・カリキュラム改訂などを踏まえ、教授会、教務部委員会、アドミッション委員会において3つのポリシーとコンピテンス・コンピテンシーの見直しを行ないましたので、ご確認ください。具体的には、カリキュラム・ポリシーでは卒業後の臨床研修への準備を意識した表現に変更し、コンピテンスの包含する意味を具体的に示しているコンピテンシーの内容に、確定診断の能力、患者側の状態の理解、有害事象への対応、新しい情報ツールの活用能力、災害医療や感染症領域での社会貢献を加えるなど、医師として必要な資質、能力を育む教育指針を時代の変化に対応する形で改訂しました。


アドミッション・ポリシー


 本学の学是は「克己殉公」、すなわち“己に克ち、広く人々のために尽くす”ことであり、教育理念として「愛と研究心を有する質の高い医師、医学者の育成」を掲げ、多くの臨床医、医学研究者、医政従事者を輩出してきました。
 この学是、理念、そして歴史ある私立医科大学という特長を基盤に、最新の医学を教育・研究し、広く国際的な視野に立った見識と豊かな人間性を備えた医師、医学研究者の養成に努め、人々の健康の維持・増進、社会に貢献することを使命と考えています。
 本学では、この学是、理念そして使命を理解・尊重し、豊かな資質を持った次のような人を求めています。

 1.医学を学ぶ目的意識が明確で、医師、医学者となるに必要な知識・技能の獲得のために自ら努力する人
 2.生命倫理を尊重し、医学を学ぶための知識・知性および科学的論理性と思考力を備えた人
 3.病める人の心を理解し、相手の立場で物事を考えることができ、主体性を持ちつつ協働して学ぶことの

 できる人

 4.社会的な見識を有し、周囲との協調性を尊重しながら、自らを表現し、判断できる人
 5.世界の医学・医療の進歩と発展に貢献する強い意欲のある人


カリキュラム・ポリシー


 本学では、学是「克己殉公」の精神に則り、「愛と研究心を有する質の高い医師と医学者の育成」をミッションとしています。その理念に則り、本学学生が医師、医学者となるために必要な知識・技能・態度を修得し、自ら考え判断でき、生涯にわたって学ぶことができるように、カリキュラムを編成しています。

 1.コンピテンスの明確化と履修系統図の明示
  すべてのカリキュラムが、8 領域からなるコンピテンスのどのコンピテンスを目指すものか明示し、学生

 自身が目的意識を持って学修を進める態度を身につける。
 2.能動的学修の重視
  Early exposureプログラム、問題基盤型学習(PBL)、準備学習時間の明示、学修支援システムを用いた

 e-Learning などの充実を図り、主体的に考え、あるいは周囲と協働して学修する態度を修得する。
 3.コア・カリキュラムとの整合性の重視
  各講義、各プログラムの担当範囲とコア・カリキュラム項目の関連を明示し、医師になるために必要な知

 識を確実に学修する。
 4.共用試験(CBT, OSCE)の実施と臨床実習生、臨床研修医としての資格取得
  臨床実習、卒業後の臨床研修を始めるために必要な知識・技能・態度を全国基準に基づいて評価し、その

 学修成果を確実にする。
 5.臨床実習教育の充実
  期間を国際水準の約70週とし、クリニカル・クラークシップ方式主体で実施し、Workplace

 assessment を基本とした実習評価を行うことで、国際水準を満たすレベルの臨床能力を修得する。
 6.研究心、国際性、プロフェッショナリズムの涵養
  研究配属、海外選択臨床実習、キャリア・ガイダンス、プロフェッショナリズム教育などの充実により、

 医師、医学者となる自覚を持ち、思考力・判断力・表現力を向上させ、国際性やチーム医療のための協調性

 を涵養する。


ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)


 愛と研究心を有する質の高い医師と医学者の育成を教育理念とする本学の医学教育は、医師となるための基本的知識、技能、態度の修得、自主的かつ周囲と協働して問題を発見し解決する能力の涵養と豊かな人間性の陶冶を目標としています。これらの資質及び能力を修得し、本学の学則に基づくすべての試験科目および授業科目に合格した者に学士の学位を授与しています。


日本医科大学コンピテンス・コンピテンシー


 1.克己殉公の精神を受け継ぐプロフェッショナリズム
  日本医科大学医学部学生は卒業時にその時代における克己殉公の精神のあり方を自らの文脈の中で理解

 し、医療の専門家としての自覚と倫理観に基づいて行動することができる。

【コンピテンシー】
 (1)克己殉公の精神のもと、人間としてのあるべき姿を求め続けていくことができる。
 (2)克己殉公の精神のもと、医師、医学者としての自覚をもち、常に社会からの負託に応える努力ができ 

 る。

 (3)克己殉公の精神のもと、法的、倫理的規範に則り、患者に対し正直に、また守秘義務を果たし行動する

 ことができる。

 (4)克己殉公の精神のもと、常に自らを省察し、医学的知識・技能・態度の向上に努めることができる。
 (5)克己殉公の精神のもと、患者とその家族、同僚、協力者、後進に対して、利他的、共感的、協力的態度

 で診療、研究、教育活動に従事することができる。

 (6)克己殉公の精神のもと、医療マネージメントとその方法を理解し、行動することができる。


 2.コミュニケーション能力
  日本医科大学医学部学生は卒業時に多様な立場や考え方を理解し、尊重し、共感力をもって他者と接する

 コミュニケーション能力を持ち、医療の現場における良好な人間関係を構築することができる。

【コンピテンシー】
 (1)相手の個人的、社会的、文化的背景などの多様性を踏まえて傾聴し、相互の立場を尊重しながらコミュ

 ニケーションを図ることができる。

 (2)患者やその家族に支持的、共感的に接することができる。
 (3)医療チームの一員として、情報の収集や伝達、説明と同意、教育などの医療の基本となるコミュニケー

 ションを実践できる。


 3.統合された医学知識

  日本医科大学医学部学生は卒業時に基礎科学、基礎医学、行動科学、臨床医学、社会医学の知識をもち、

 統合した形で問題解決に応用することができる。

【コンピテンシー】
 (1)正常な人体の構造と機能、および人の一生としての発生、成長、発達、老化、死を理解している。
 (2)基礎科学や行動科学に裏付けられた知識から、人の心理と行動について考察できる。
 (3)基礎科学と基礎医学の分析的手法を用いて、病因と病態、構造と機能の異常を説明できる。
 (4)疾病の構造を理解し、社会医学や予防医学の視点を加え、患者の問題解決を考察できる。
 (5)生物統計学や疫学に関する基本的知識を有し、社会医学や予防医学の視点で考察できる。
 (6)社会制度に基づいた保険・医療・福祉・介護を理解している。


 4.実践的診療能力
  日本医科大学医学部学生は卒業時に患者中心の視点に立ち、臨床研修現場において適切な診療を行う能力

 を獲得することができる。

【コンピテンシー】
 (1)患者の訴えや背景を理解し、身体所見に応じた病歴聴取や身体診察ができる。
 (2)臨床推論を行い、鑑別診断を挙げ、疾患の確定診断ができる。
 (3)検査計画を立案し、結果の医学的解釈から治療計画を立案できる。
 (4)基本的臨床手技ならびに救命救急処置を患者の年齢、性別の特性を理解して実践できる。
 (5)感染対策を含めた医療安全の基本概念を理解し、安心・安全な医療に寄与できる。
 (6)治療効果・経過・患者満足度を評価し、全人的な対応ができる。
 (7)治療に伴う有害事象、合併症を理解し、対応できる。
 (8)病態に応じた適切なコンサルテーションができる。
 (9)患者、家族を含むチーム医療の役割を理解し、その一員として多職種と円滑に連携して診療に参加する

 ことができる。


 5.科学的研究心と思考能力
  日本医科大学医学部学生は卒業時に生涯を通じて、医学の進歩に関心をもち、科学的探究心を維持し、問

 題に対して論理的、批判的思考をもって行動することができる。

【コンピテンシー】
 (1)科学的探究心を持ち、問題を発見し、それを解決する科学的理論を理解し、必要な方法論に基づいて実

 践できる。
 (2)医学研究により得られた結果を論理的、批判的に解析し、明解に情報発信することができる。
 (3)医学研究の進歩に関心を持ち、正確な情報を新たに取り入れ、理解し活用することができる。
 (4)研究倫理に配慮した医学研究を遂行できる。
 (5)研究内容の位置付けや社会における役割を説明することができる。
 (6)新しい情報交換システムや高度な情報処理システムを理解し、医学の進歩に活用することができる。


 6.人々の健康の維持と増進を通じた社会貢献
  日本医科大学医学部学生は卒業時に社会の現状を認識し、医療人の立場から人々が健やかに暮らせる社会

 の構築に努めることができる。

【コンピテンシー】
 (1)適切な情報リテラシーのもと、国民の健康に係わる情報を積極的に収集できる。
 (2)医療や介護・福祉に関する種々の法律、規則、社会制度の仕組みを理解し説明できる。
 (3)健康維持・増進のための課題を認識し、法規・制度を遵守しながらそれらの解決策を説明できる。
 (4)地域医療におけるプライマリケア、介護・福祉、予防医学活動に参画し、自らの行動を社会貢献に反映

 できる。
 (5)災害医療の現状を理解し、自らの行動を社会貢献に反映できる。
 (6)新興・再興感染症の予防および蔓延防止対策を実践できる。


 7.次世代の育成と教育能力

  日本医科大学医学部学生は卒業時に大学の教育、研究、医療における理念を次世代に受け継いでいく使命

 を認識し、チームにおけるリーダーシップを発揮しつつ後進の指導を行うことが出来る。

【コンピテンシー】
 (1)建学の精神、学是、教育理念を行動化し、次世代へ継承することができる。
 (2)相互理解・相互尊重の態度を涵養し、グループ活動やチーム医療においてリーダーシップを発揮するこ

 とができる。
 (3)チームの円滑な活動を推進するマネージメント力を涵養し、後進に伝授することができる。
 (4)同僚や後進に医師となる上で必要な知識、技能、習慣についての指導、助言ができる。
 (5)自己の教育活動を省察し、学びを深めることができる。

  

 8.豊かな人間性と国際性

  日本医科大学医学部学生は卒業時に人類と生命に対する「愛」を内包する豊かな人間性をもち、日本のア

 イデンティティを尊重しながら、広く世界に目を向け行動することができる。

【コンピテンシー】
 (1)「愛」の本質を探究する幅広い教養を備えている。
 (2)文化的・宗教的・社会的背景や、これらに基づく人々の多様な価値観を受容し、尊重する姿勢を有す

 る。
 (3)語学力を基盤として、国際医療人・研究者のひとりとして行動できる。
 (4)国内のみならず、国際保健の観点から医療問題の課題を説明できる。
 (5)広く世界へ視野を広げ、「愛」の視点から医学の発展に寄与する態度を有する。


2023.3.24

学長 弦間昭彦



学業の緊急事態

 COVID-19感染蔓延期も3年目となり、日本社会も出口を探している状況となりました。大学も、講義は全面対面形式となり、実習も正常化に進んでおります。課外活動も、病院実習学生を除き、ほぼ解禁となっております。これらの対応は、医学部学生における社会活動の重要性を意識したものであります。

 2年を超えたCOVID-19感染蔓延状態の活動制限期間後の活動再開であり、始まるや力が入るのは当然のことと思います。
 しかし、課外活動開始後、入ってくる学生の学業上の情報は、かなりの低下を示すものであります。コロナ感染蔓延にも関わらず、順調に伸びてきていた学業成績に翳りが見られます。


4年生のCBT の結果

●IRT標準スコアの基本統計

図1


●下位15名の比較

図2_


 まず、4年生のCBT の結果ですが、前年より平均点が28点低下し、下位者も5人から10人と2倍になり、実際に、例年1−2人だった留年生が4人生まれました(上表)。CBT は、試験の性格上、毎年の難易度が変化することは想定しにくく、かつ、過去問情報が増えることにより、平均が上がる傾向が想定されている中、純粋な学力の低下と評価せざるを得ません。また、IR の分析では、国試の結果との相関は極めて強いことがわかっています。

 今年、4年生の立場で考えれば、ほとんど出来なかった課外活動も、病院実習が始まれば、かなり制限されることから、最後の機会と考えるのは無理からぬことではあります。しかし、一旦学習量が低下すると、それを戻すには、かなりの努力を必要とします。今まで、学生諸君が子供の頃から費やした勉学の日々に想い、一刻も早く振れすぎた振り子を戻して挽回していただきたいと思います。



6年生の総合試験の結果

   2021年総合試験平均              2022年総合試験平均

  図3 図4


  2021年総合試験2回の散布図           2022年総合試験2回の散布図

  図5   図6


 成績上位者層は厚いものの、昨年に比し、成績下位者の数が多く(上図)、4年生同様、COVID-19感染蔓延が少なからず影響したと考えます。今回、卒業判定保留という特別な対応をとることになりました。このチャンスを活かしていただきたいと思います。国試は、相対評価が導入されています。各大学の対抗戦と考えて良い状態です。昨年、国試合格率95%であった先輩たちと比較し、危険域層が大きく増加していることを認識して挽回していただきたいと思います。



そのほかの学年の学生へ

 COVID-19感染蔓延状況に対応し、感染への注意は必要であります。しかし、貴重な6年間に、いろいろなことを学ぶために使うエネルギーを減らして過ごすことは非常にもったいないことです。活動の仕方に制限がかかったとしても、使用エネルギーの量を保つ方法はあるはずであり工夫をして欲しいと思います。

 どのような形態であれ、人と交流することは重要です。また、優れた先人の思考過程を学修することはどの様な制限があってもできることと思います。


学生諸君、感染に注意しつつも、学業と社会生活の充実を積極的に両立していきましょう。


2022.12.23

学長 弦間昭彦




新型コロナ感染蔓延第5波と武蔵小杉新病院の開院

 

 現在、新型コロナ感染蔓延第5波が今までにない高さとなっております。

診療に携わる方々をはじめ教職員の皆様は、大変な日々を過ごされておられると思いますが、まずは、ワクチン接種が多くの住民になされ重症化リスク軽減効果が発揮されるまで、もう一踏ん張りを御願いいたします。

 このような時期の医学部教育ですが、社会のご理解と病院教職員の皆様のご協力を得て、希望する全ての学生、教職員に優先接種を中心とするワクチン接種が終了いたしました。出来る限り正常化した状態での教育を行う方向で進めてまいります。

 しかし、ワクチンについては、δ株での重症化リスク軽減効果は従来株と同様との報告もなされていますが、感染リスク軽減については弱いというデータも報告されています。従来通り、家庭内やプライベートでも十分な感染対策を引き続き御願いします

 

 明るい話題として、武蔵小杉新病院の9月開院があります。刻々と変化する感染症の状況ではありますが、日本医科大学では、この素晴らしい診療、教育環境を生かすため、谷合病院長と相談のもと、「武蔵小杉新病院―日本医科大学新テクノロジー医学教育プロジェクト」を立ち上げました。概略は、以下の通りであります。

             

1.臨床実習   ―新病院によるポストコロナ時代のC Cの構築と実践

          ―全実習学生の新病院体験(新病院ローテート)

          ―旧来の臨床実習と異なる網羅的臨床実習の構築

2.卒後研修   ―新病院における魅力的な卒後研修コースの構築と広報

          ―専門医カリキュラムの充実

3.早期臨床体験 ―新病院によるEarly exposureの構築と実践

             

4.研究     ―新病院における臨床・橋渡し研究体制の構築と充実(新病院―基礎医学・先端研共同研

         究の推進、研究統括センターの臨床研究サポートなど)

             

5.「新テクノロジー医学教育プロジェクト」基盤(VR、e-learning コンテンツ、ネット非接続非接触面談システム、CC-EPOCなど)を活用した教育

 

大変な時期でありますが、日本医科大学の明るい未来を思い描きながら、力を合わせていきましょう。


「武蔵小杉新病院―日本医科大学新テクノロジー医学教育プロジェクト」検討会にて

「武蔵小杉新病院―日本医科大学新テクノロジー医学教育プロジェクト」検討会にて


見学実習

学生の新病院リハーサル参加と見学の様子

 

 2021.8.17

学長 弦間昭彦

 

第121回日本医史学会総会・学術大会を開催いたしました

 この度、日本医科大学が第121回日本医史学会総会・学術大会を主催させていただきました。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、オンラインでの開催となりましたが、日本医史学会ならびにノンフィクション作家 柳田邦男先生のご厚意により、市民公開講座「心に生きる日野原重明先生~30年余の豊かな学び、そして未来~」を本学のHPにて公開させていただくことになりましたので、ぜひご視聴ください。

 

市民公開講座 柳田先生ご講演


arrow01 日本医史学会市民公開講座(こちらからご視聴ください)


新しい情報化時代に対応するために

 現代社会の情報化に対応し、積極的に教育ロジスティックやリソースの強化を推し進めている本学は、より強靭な教育システムの整備に向け、ICT(情報通信技術)、人工知能、ロボティックスなどの技術を用いた教育を導入し、研究面では先端医学研究所の移転や研究部共同研究施設機能の戦略的再配置を進めるなど、積極的に学事改革を進めています。

―情報化社会における情報モラル―
 現代の情報化社会の恩恵をしっかり享受するためには、リスクへの対応が十分なされなければなりません。そのためには、まず、ルールの遵守とモラルへの留意が必要です。誰もが情報の送り手と受け手の両方の役割を果たし、情報がネットワークを介して瞬時に世界中に伝達され、予想しない影響を及ぼしてしまうことや、対面のコミュニケーションでは考えられないような誤解が生じる可能性もあります。一人一人が情報化社会の進展による変化を理解し、情報化の影の部分に対応した適切な活動が望まれます。


―SNSと上手に付き合うためにー
 SNSの新たな展開にルール作りが追いついていない状況です。事実と異なる情報や、偏った見方などが溢れています。そのような状況がこの社会を構成する人々に大きな悪影響を与え、社会問題になっております。このようなSNSの影響を避けるためにも、SNSの適切な利用が重要です。他者への影響を考え、人権、知的財産権など自他の権利を尊重し自らの行動に責任をもつことで、これらのツールを正しく安全に利用することをお願いいたします。


―学内WEB会議(ビデオ会議システム)―
 本学では、いつでもどこでも簡単に充実したビジネスコミュニケーションを可能にするWeb会議システムを積極的に取り入れており、交通費、時間の節約、感染症リスクの軽減など、既に大きな導入メリットを得ています。しかし、その一方で不正アクセスによる会話の盗み聴きや資料のダウンロードなど情報漏洩のセキュリティーリスクが危惧されていることも事実です。
 本法人では、ビデオ会議システムの利用要綱を下記のように整備しておりますので、本学の皆様も、利用に際しては本要綱を遵守されますようお願いいたします。


学校法人日本医科大学 ビデオ会議システムWebex利用に係る要綱 (PDF:145KB)】

2020.7.14

学長 弦間昭彦





緊急事態宣言解除及び東京都による休業要請緩和と日本医科大学の対応

 緊急事態宣言が解除され、東京都による休業要請の緩和が進められております。この状況を踏まえ、日本医科大学においても、図書館、教育棟講義室の使用など、休館要請により制限していた施設の使用を段階的に緩和していくことと致しました。
 また、教育、研究面について、医学部、大学院医学研究科より、随時、カリキュラム、履修方法の変更に関する連絡がなされますので、ご注意、対応いただきたいと思います。教職員におかれましては、感染拡大の予防に努め工夫しつつ、教育活動の運用の変更、研究活動の遂行をお願いいたします。


「第2波、第3波への備え」―日本医科大学教育ロジスティックの強化―
 日本医科大学においては、「医科大学版テクノロジー革命」の一環として、学修支援システム、動画配信システム、スタジオや教室講義収録機器導入による全講義収録、OSCE評価者用android端末の導入等、iPad、高性能アンドロイド(シミュレーター)などの整備などを進めてまいりました。今回の緊急事態宣言下の教育については、そのハード、ソフトの整備が有効に機能し、遠隔授業の形で滞りなく進めることができました。教職員、学生の皆様のご協力に感謝いたします。
 しかし、今後のさらなる感染症リスクに備えなければならない状況と考えます。「with COVID-19」時代のより良い教育を目指して、以下に示すような、より強靭な教育システムを整備しつつあります。出来る限り、リスクを抑える整備をしてまいりますので、環境の変化を注視し、今後とも対応いただきますようお願いいたします。

Pre-CC OSCE、Post-CC OSCE の実施
・ SP(模擬患者)の代替として、多数のシミュレーターの購入・整備

CC環境の充実
・ 3Dオンライン・シミュレーション「Body Interact」のライセンス契約
・ ICTを駆使した病室外遠隔CC(Clinical Clerkship)システムの構築
・ VRゴーグルを使用したオンライン配信講義
・ MEC web講座(選択CC代替)の利用者拡大

在宅e-learningにおけるface-to-face communicationツールの整備と学生サポート体制の強化
・ webex ライセンスの購入(各分野・各学年での利用を計画)

遠隔授業の環境構築の加速化(双方向性授業の強化)
・ LMS 学修支援システムにおける動画視聴ライセンス数の増強

学生相談体制の強化
・ カウンセラーのテレワーク環境下でのスマートフォン端末の設置

その他(感染とは直接関係しない施設整備)
・ CC学生グループ毎のPHSを整備
・ 教育棟及び大学院棟の講義室・実習室の操作卓の全面リニューアル
・ 実習室4・5のバーチャルスライドシステムの更新
・ 武蔵境キャンパスマルチメディア教室PCの更新
・ 大学・付属四病院共用スペースPCの更新
・ 学生用PC・タブレット等充電器の設置
・ 武蔵境キャンパスにおけるWi-Fi環境の増強
・ 千葉北総病院CCルームのリフォームと管理体制の構築(管理人の常駐等)
・ 法医学棟の建設
・ 解剖学実習室のリニューアル(強力な換気システム)


2020.6.1

学長 弦間昭彦


新型コロナウイルス感染症対策について

 新型コロナウイルス感染症対策につきまして、本学教職員並びに学生諸君には授業、クラブ活動等への影響の他、学内行事等を延期や中止にするなど、学内における臨時対応にご協力いただき有難うございます。
 新型コロナウイルス陽性患者数は、3月23日(16名)、24日(17名)、25日(41名)と増加し、来週末には、更に増加していることが予想されます。昨日(25日)に、小池東京都知事の緊急記者会見があり、小池都知事は「今、感染爆発の重大局面にある。このままの推移が続けばロックダウン(都市の封鎖)を招いてしまう。」と述べ、今後、爆発的に感染がつながる恐れがあるという強い危機感を表明しました。
 また、平日はできるだけ自宅で仕事を行い、夜間の外出は控え、今週末の不要不急の外出を控えるよう呼びかけ、引き続き、「換気の悪い密閉区間」「多くの人の密集する場所」「近距離での密接した会話」の3つの「密」を避けるよう要請されました。さらに、外務省でも新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を受けて、世界全体を対象に「危険情報」をレベル2に引き上げ、不要不急の渡航自粛要請を発出しました。
 本学におきましては、こうした状況を踏まえ、当面、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、次の対策を講じることとしますので、ご協力下さいますようお願いいたします。


 1.できるだけe-learningを活用した双方向の授業を行うこと。
 2.業務に支障のない範囲でテレワークを取り入れた勤務態勢を整えること。
 3.夜間の外出は控えること。
 4.週末の不要不急の外出は控えること。

2020.3.26

学長 弦間昭彦


東京都 新型コロナウイルス感染症 対策サイト
都内の最新感染動向
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/



日本医科大学研究者の皆さまへ

 本学はご存じのように、世界大学ランキング2019で、教育リソースとともに、「研究」カテゴリーでも日本の私立大学1位(参考:慶応義塾大学2位、早稲田大学4位)、「被引用論文」カテゴリーでは、私立大学5位に位置付けられました。(参考資料)
 これもひとえに先生方の日頃のご努力の賜物であります。この素晴らしい状況を維持するとともに、Journal of Nippon Medical Schoolの評価をさらに高めるために、下記のことをご検討いただけますと幸いです。よろしくお願いします。

 参考資料はこちら

2019.11.6

学長 弦間昭彦


1. 論文をJournal of Nippon Medical Schoolにご投稿ください。原著・総説・症例報告などを問いませんが、特に引用されやすい「総説」をぜひJNMSにご投稿いただき、さらにその内容に関連する論文を執筆された際は、引用をご検討ください。JNMS自体のインパクトファクターも上昇し、さらに世界大学ランキングにも影響します。


2. 現在世界大学ランキングを解析しているエルゼビア社から、大学評価に関するアンケートのメールが届くことがあります。ぜひご面倒でも日本医科大学をご評価いただけますよう、よろしくお願いいたします。エルゼビア社からのメールに日頃からご留意いただけますと幸いです。

以上

本学の教育改革の記事が紹介されました
(時事通信社、Yahoo! JAPANニュース)

アンドロイド患者で医療教育 ~ここまできた技術革新の波


時事通信社 8月26日(月)15時30分配信  

 ヤフージャパン https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190826-00010000-jij-sctch  

 時事通信社   https://medical.jiji.com/topics/1321


なお、本取組みは下記の学会で紹介いたします。


学会名 第7日本シミュレーション医療教育学会学術大会
テーマ シミュレーション医療教育の近未来:シンギュラリティは何処に
URL https://7thjasehp.jimdofree.com/
開催日 2019年9月21日(土)
会 長 藤倉輝道(日本医科大学医学教育センター)
会 場 日本医科大学千駄木校舎教育棟/橘桜会館
〒113-8602 東京都文京区千駄木1-1-5  Tel. 03-3822-2131


AI時代の医師教育

gemma2 ※画像をクリックするとPDFが開きます。

教職員の皆さまへ
「日本医科大学過去3年の歩みと今後のビジョン」