理化学研究所
東京科学大学
日本医科大学
理化学研究所(理研)生命医科学研究センターヒト疾患モデル研究チームの石川文彦チームディレクター(東京科学大学包括病理学分野教授)、日本医科大学衛生学公衆衛生学の伊藤亜里助教(元理化学研究所研究員)、東京科学大学包括病理学分野のリャン・ミンッガオ講師らの国際共同研究グループは、新しい免疫細胞のエンジニアリング(遺伝子工学的改変)によって難治性白血病細胞を死滅させられることを証明しました。
本研究成果は、白血病の新しい根治療法開発と、現在の治療法で根治に導くことが難しい白血病の新しい治療法開発に貢献することが期待されます。
今回、国際共同研究グループは、虎の門病院にて臍帯血(さいたいけつ)移植によって完全に治癒したと判定された患者検体を解析して、T細胞と呼ばれる免疫細胞に「記憶(長く免疫機能を発揮する力)」(免疫記憶)が形成され、免疫記憶の形成とタンパク質CXCR4の発現が重なることを見いだしました。同時に、白血病細胞の表面にタンパク質CD25、CD96があることを見つけ、これらに結合して白血病細胞を捕まえる抗体をつくりました。T細胞が白血病を倒すまで免疫を長期に維持する記憶タンパク質CXCR4、白血病細胞の表面に存在するタンパク質を見つけて捕まえる抗体を兼ね備えるエンジニアリングを行うことで、患者白血病細胞で患者白血病状態を再現したモデルマウスにおいて、骨や脾臓(ひぞう)、肝臓などで難治性白血病細胞を死滅させられることを証明しました。
※本研究は、科学雑誌『Nature Communications』オンライン版(1月26日付:日本時間1月26日)に掲載されました。