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当科における急性中毒入院患者さんについて

当救命救急科における急性中毒入院患者さんについて

2010年〜2014年度の過去5年間におけるいわゆる「中毒」症例は、延べ278例でした。ここでは火災による一酸化炭素中毒や、いわゆる「中毒診」のようなアレルギーは除外しています。入院患者さん平均年齢は40.4歳と比較的若く、性別構成は女性患者さんが男性患者さんの2倍以上が特徴です(グラフ1)。また平均入院日数も約3.7日と比較的短くなっています。これらの傾向や特徴は、入院となる急性中毒の主な原因が、医薬品などを自ら過量服用する「自傷行為」だからと考えられます。特に医薬品過量服用による自傷行為で命を落とすことは極めて少なく、当救命救急科の過去5年間を見ても、わずか3例(1.1%)にすぎません。いっぽう、42例(約15%)は自傷行為の再発例でした。

当救命救急科における急性中毒患者さんの診療内容

2010年〜2014年度の過去5年間に入院した中毒患者さん278例の中毒原因の内訳は、グラフ2のようになっています。

  • 医師から処方された処方薬や、ドラッグストアで購入可能な一般市販薬の過量服用よる「医薬品中毒」が85%を占めています。
  • いわゆる「飲みすぎ」で意識が悪化し、さらに救急要請されたあげくに当施設のような救命救急センターに搬送されてしまう「急性アルコール中毒」も5%程度見られます。
  • そのほか有毒ガスは一酸化炭素中毒や硫化水素などとなっています。農薬や家庭用品(洗剤、漂白剤)による中毒も散見されます。

入院患者さんの基礎疾患はグラフ3のとおり、75%の患者さんが何らかの精神疾患を有し、他院などで治療を受けています。入院時に全く基礎疾患のない患者さんも15%程度おりますが、特に自傷行為などで何らかの精神疾患が発見されることも多いようです。また認知症での農薬、家庭用品誤飲もありました。
こうした急性中毒による入院では、合併症も治療対象となります。グラフ4にも示しましたが、特に意識障害や嘔吐を伴う場合の誤嚥性肺炎は最も多い合併症で、入院期間も長くなる傾向があります。また中毒の起因物質によっては重篤な臓器合併症を来たし、透析などの治療を有する場合もあります。特に最近見られる危険ドラッグなどの合併症は多岐にわたる傾向があります。
自傷行為ではないが、薬物の血中濃度が上昇し、重篤な副作用として発症して搬送された例もあります。急性中毒は原因物質や症状、合併症が多岐にわたり、症例の蓄積による経験則的な治療が重要な場合も多いのです。

当救命救急科の急性中毒診療各統計

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