分子解剖学は、蛋白質をコードしないRNA(non-coding RNA; ncRNA)の分子解剖学的研究を教室の主たる研究テーマとして、研究活動を進めています。
 ncRNAの役割は十分に解明されていません。形態学的解析手法を基盤として、さらには分子生物学的解析手法も融合させた「分子解剖学的アプローチ」により、生殖器系(胎盤、精巣など)におけるncRNAの機能解明、さらには異常妊娠(妊娠高血圧腎症など)、がん(消化器系腫瘍など)の分子病態におけるncRNAの役割解明を目指しています。

 ポストゲノムの時代、現在進められつつある機能ゲノム科学の固体・細胞レベルでの解析では、個々の生体分子が細胞や組織の中でどの様に分布し、機能しているのかを解析するための形態学、特に細胞化学法が、今後ますます重要な役割を果たします。