呼吸器外科学 臼田実男 大学院教授
外科学(呼吸器外科)/呼吸器外科学
臼田 実男  大学院教授

 当科は呼吸器(肺・気管支)と縦隔、胸壁に症状や異常がある方を対象として診療を行っています。原発性肺癌を中心に転移性肺腫瘍、良性肺腫瘍、縦隔疾患(胸腺)、胸壁疾患(胸膜中皮腫)、自然気胸などの診断と治療(手術)を担当しています。

 当院では呼吸器内科、放射線科、病理部などの関連各科と緊密に連携し、国際的にも総合力の高い治療を提供しています。診断面では3D-CT、PETなどの最新画像機器と最先端の気管支鏡検査システムを併用することにより肺癌の早期発見、正確な病期診断に努めています。また、治療面ではクリニカルパスを用い、安全第一に看護師や薬剤師などのスタッフと連携しながら診療にあたっています。

 日本医科大学関連病院の年間手術総数は700例にのぼり、確実かつ根治度の高い手術を行っています。早期癌には胸腔鏡を用いた低侵襲手術を、進行癌には拡大手術に化学療法、放射線療法、分子標的治療などを組み合わせた集学的治療を行っています。当科では、1994年4月胸腔鏡下手術が保険適応となって以来手術手技の改良に取り組み、質の高い内視鏡手術を行っています。低侵襲手術は、体への侵襲を抑えることにより、高齢者や併存症、低肺機能などのリスクを有する人にも外科的治療を受けるチャンスを拡げています。

 また、気管支の早期癌に対する蛍光内視鏡、レーザー治療や進行癌の気道狭窄に対するステント治療においても国内の先駆的立場にあり、世界的にもトップレベルの治療成績を保っています。

 正確な診断とエビデンスに基づく治療を前提に、患者様の生活の質(QOL)の向上を重視し、最善の医療を提供できるようスタッフ一同努めています。