当教室は大正13年,現在の飯田橋に当たる地に開設された日本医学専門学校飯田町医院に端を発し、長らく飯田橋の地にありましたが、平成9年の病院の統廃合に伴い、千駄木の付属病院に移り、第二内科学教室、また平成18年には内科(神経・腎臓・膠原病リウマチ部門)となり、平成24年からは内科学(神経内科学)と名称が変更されました。

 神経内科では脳梗塞をはじめとする脳血管障害の早期診断・治療および脳梗塞急性期における脳保護を教室の主要テーマに据え、神経内科全般(頭痛,パーキンソン病ならびにその近縁疾患およびアルツハイマー病に代表される変性疾患, 末梢神経疾患, 中枢神経系の感染症等)の診断・治療を行なっております。スタッフは神経内科専門医、脳卒中専門医であり、高度の診療をおこなっています。脳梗塞治療では脳が不可逆的変性に陥る前、すなわち発症後3時間以内に血栓溶解療法により血行の回復を行なうことが必要であり、早期診断・早期治療が重要であります。当内科では平成17年5月に脳卒中患者を早期に受け入れ、集中的に早期診断・治療を行なう脳卒中専門ユニット(Stroke Care Unit:SCU)を東館6Fに開設し、脳卒中専門医による高度医療をおこなっております。
 研究面では脳神経細胞の虚血性神経細胞障害のメカニズムおよびその保護(脳保護療法)について多面的に検討を行っています。また、骨髄幹細胞移植により脳梗塞によって失われた機能の回復をはかる神経再生療法についても臨床応用に向けて研究を進めており、脳梗塞の基礎研究分野においても活発に活動しております。