2008年10月、初診の患者や1~2次の救急患者を効率よく受け入れるために日本医科大学付属病院総合診療センターが発足した。このセンターは外傷の診療にあたる外科系の医師と内因性疾患を主に見る内科系の医師の混成チームである。総合診療科は主に内科系疾患の診療を担当し、総合内科専門医、循環器専門医、血液内科専門医、老年病専門医、糖尿病専門医、救急専門医、集中治療専門医など多岐にわたる専門医が集結して集学的な診療を行っている。

 2013年4月より、総合医療・健康科学分野(大学院分野)の臨床部門として位置づけられ、医学部教育においては、総合医療学を担当している。内科系診療科が完全臓器別化したため、学生や研修医のプライマリーケアの教育の場として重要な役割を果たすようになった。2014年7月から専修医ローテション制度を導入することで、学生、研修医、専修医、指導医の屋根瓦式教育体制が確立した。また、2014年10月より米国大使館の総合内科医Deshpande氏を非常勤特任教授として迎え、英語での医学教育にも力をいれている。医局員は研究生または大学院生として所属し、教室としては総合診療専門医、総合内科専門医の取得を第一目標に掲げている。また、内科系サブスペシャリティー専門医や救急専門医などへのキャリパスを支援し、総合力のある専門医を排出することを目指している。