免疫グロブリン療法について

  • 不育症の原因は様々ですが、約半数の患者さんは検査を行っても原因が特定されません。
  • こうした患者さんでは、児に対する免疫学的拒絶によって流産を繰り返している可能性があり、自己免疫疾患に対する有効性が知られているγグロブリン静注療法(IVIG 療法)の有効性が期待されてきました。2014~2020 年に当施設も参加して行われた多施設共同の二重盲検法比較試験では、4 回以上の流産歴がある原因不明の不育症患者さんを対象に、γグロブリン製剤かプラセボ(偽薬)のいずれかを患者さんにわからないように投与することで、本治療の有効性が明らかになりました。この臨床研究に参加した60名の患者さんのうち 44 名(73%)が生児を授かっています。
  • 当院では、施設倫理委員会の承認のもと、原因不明や抗血栓療法に抵抗性の抗リン脂質抗体症候群で流産を繰り返している患者さんにたいして、臨床試験と同様のプロトコールでIVIG 療法を実施できる体制を整えています。
  • 治療法としては、妊娠早期(胎嚢確認後、妊娠6週頃まで)にγグロブリン静注(献血ヴェノグロブリンIH 2500mg,50ml)8ml/kg/日を 5 日間投与します。副作用として、ショック、アナフィラキシー、肝機能障害などを生じる可能性があるため、入院の上、血液検査を行い、全身状態を確認しながら実施します。保険収載されていない治療のため全額自費診療となり、体重換算で体重 が50~60kg の場合、約 120 万円の自己負担になります。
  • 本治療を検討される方は、当院不育症外来をご予約の上、受診いただきますようお願い申し上げます。