主な業務内容

チーム医療への参画

薬剤部は、薬剤師22名、補助員3名、院内物流代行業務員(SPD8名)で構成されています。
各種専門、認定等の資格を有している薬剤師が多数在籍し、医療現場で活躍しています。

調剤業務

医師の処方せんに基づいて、外来や入院の患者さんの内服薬(飲み薬)・外用薬(塗り薬・はり薬・注射薬など)を準備して、外来の患者さんや病棟へ交付しています。薬学的知識をもった薬剤師の立場で処方せんをチェックし、疑義(用法・用量、重複、飲み合わせ等)があれば必ず医師に確認してから薬を調製します。よりわかりやすく安全に服薬していただくために、薬袋や薬ラベル、用法に合わせた分包、お薬の説明書作成などを行なっております。

薬剤部の風景1

薬剤部の風景2

薬剤部の風景3

薬剤部の風景4

注射補給業務

注射薬は主に内服薬で治療が困難な場合に、直接患者さんの体内に治療薬を入れるための薬の形です。
注射補給業務は注射薬を取扱う業務ですから、薬が直接注入される事を最大限に考慮して業務を行っています。具体的には医師が発行する注射処方せんに基づき、入院している患者さんが必要としている注射薬を患者さん毎に1施用毎に取揃え、患者さん用に個別にセットし各病棟に供給します。その際、患者さんの年齢、性別、体重などに基づき注射薬の量や種類を確認し、さらに同時に何種類もの薬を必要としている場合には、お互いに混合しても大丈夫なこと(配合変化がないかどうか)などを確認して払い出します。また処方内容に問題があった場合には、直ちに担当医師に連絡し協議して、適切な注射薬が供給できるように努力しています。

薬剤部の風景5

薬剤部の風景6

薬剤部の風景7

薬品情報(DI:Drug Information)管理業務

「医薬品」を適正に使用するためには、効果、使用量、使用方法、副作用等の様々な情報が必要であり、情報が伴わなければ単なる「化学物質」になってしまいます。薬品情報室では、医薬品を有効かつ安全に使用するために下記のような業務を行っています。

  • 製薬企業、書籍、インターネット等から情報を収集・評価・整理・保管
  • 医療従事者や患者さんからの質疑応答
  • 院内情報誌等による医療従事者への情報提供と情報共有
  • 薬事委員会における医薬品の採用・削除の審議
  • 院内医薬品集の作成

薬剤部の風景8

薬剤部の風景9

薬品管理業務


薬剤部の風景10病院内で取り扱う医薬品は多岐に渡り、飲み薬を始め目薬、湿布薬、注射薬などの他に消毒薬、検査薬などがあります。薬品管理業務は、これら医薬品が品質に問題なく安定的に院内に供給できるよう在庫管理し、必要に応じて各科各部署に供給する業務を行っています。また医薬品は薬剤部だけでなく、各科各部署、病棟、救急救命センター、中央手術室など病院の至る所で使用されていますが、その医薬品ごとには使用期限があり、使用期限の切れた医薬品は使用できません。それら院内に配置された医薬品について、薬剤部内はもちろん各科各部署にて定期的に使用期限のチェックを行い、使用期限の切れた医薬品が患者さんに使用されないよう管理しています。

製剤業務

市販されていない薬剤(軟膏、消毒薬、検査試薬等)を医療現場からの要望により調製しています。
無菌的に薬剤を調製するためのクリーンベンチ、医薬品を滅菌するための高圧蒸気滅菌機を備えています。

製剤業務1

製剤業務2

製剤業務3

製剤業務4

麻薬管理業務

医療用麻薬は、手術後、がんによるもの、その他の激しい痛みに対して、または検査時の鎮静目的や全身麻酔など多岐に渡って使用されています。
麻薬管理業務は、これらの状況に滞りなく対応する為に“麻薬及び向精神薬取締法”を厳守して医療用麻薬の購入、管理、処方箋による払い出し、使用後の残薬処理を行っています。また、医療用麻薬の購入・処方箋による払い出しの記録の作成、院内で起きた麻薬事故の国への届出、持参されて継続不要な医療用麻薬の廃棄、届出や1年間に使用した届出の作成も行っています。

薬剤管理指導業務・病棟薬剤業務

当院では、すべての病棟に薬剤師を配置しています。入院中の患者さんに薬の「飲み方」「効果」「副作用」などについて、薬の専門家の立場から説明を行っています。また、入院時の持参薬や他の薬との飲み合わせ、検査データなどを確認し、薬が安全かつ適切に使用されるよう薬剤師が常に確認しています。他にも、医師や看護師などの医療スタッフと連携し、患者さんにふさわしい薬の提案や飲みやすい剤型への変更、副作用の早期発見に努めています。
薬剤師が病棟にいることで、患者さんや医療スタッフにとって身近な存在であり、患者さんが安心して治療に取り組めるよう心がけています。

薬剤管理指導業務・病棟薬剤業務1

薬剤管理指導業務・病棟薬剤業務2

薬剤管理指導業務・病棟薬剤業務3

薬剤管理指導業務・病棟薬剤業務4

TDM(Therapeutic Drug Monitoring)業務

医薬品の効果や副作用には、体内動態の差や生体の感受性の差により生じる個人差が存在します。TDMは、血中の薬物濃度を測定して薬物動態学的解析を加え投与設計を行い、個別化した薬物治療を提供することを意味します。当院では、臨床検査技師が血中濃度測定を行い、医師と薬剤師がデータを評価し投与設計を行います。また、抗生物質のTDMはICT(感染制御チーム)と連携しています。TDMは薬剤師の業務を支える重要なツールになります。
対象薬剤は、1.抗てんかん剤、2.テオフィリン、3.ジゴキシン、4.抗不整脈剤、5.抗生物質、6.免疫抑制剤、7.アルコールですが、広義では、血液凝固能の測定も含まれます。

がん化学療法業務

抗がん剤治療を受けられる外来・入院患者さんに対して、抗がん剤が安全に投与されるように投与量・投与スケジュールのチェックや注射薬の調製、レジメンの登録・管理を行っています。また、治療中の患者さんのところへ伺い、くすりの説明や副作用の発現状況の確認などを行っています。看護師や各診療科の医師とカンファレンスを行い、患者さんの様子や治療方針について情報共有を行っています。また、院内で開催される患者フォーラムのお手伝いもしています。

がん化学療法業務1

がん化学療法業務2

治験管理業務

治験業務は院内で行われている治験における治験薬の管理業務と薬物治験審査委員会の運営に当たっています。

感染制御チーム(ICT:infection control team)

感染制御チームは、医師・看護師・細菌検査技師・薬剤師で構成され、各職種が専門性を発揮することで病院の感染管理を担っています。
薬剤師は、抗菌薬の使用状況の把握を礎とした、抗菌薬適正使用を主に携わっています。広域スペクトル抗菌薬長期連用症例に対しては、感染症専門医師とともにラウンドして抗菌薬が適正に使われているか、治療に反映しているか、副作用は出ていないか等を判断して、主治医との協議にて抗菌薬の使用法の決定に参画しています。感染制御チームにおける薬剤師は治療支援と広域スペクトル抗菌薬の濫用による耐性菌発現をコントロールするための重要な役割があります。

感染制御チーム(ICT:infection control team)

緩和ケアチーム

緩和ケアチームは身体症状担当医師、精神症状担当医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカーで構成されています。患者さんの苦痛症状に対して症状マネージメントのサポートを行っています。
緩和ケアチームの薬剤師の役割として、定期カンファレンスに参加し薬学的見地からの処方提案、オピオイド処方に対する主治医への助言、処方のリスクマネージメントチェック、薬物治療モニタニング、患者・家族に対する服薬指導、スタッフへの製品情報の提供、病棟担当薬剤師からの相談への対応などがあります。

緩和ケアチーム

褥瘡対策チーム

チームメンバーは、形成外科医師、皮膚科医師、皮膚・排泄ケア認定看護師、管理栄養師、薬剤師です。褥瘡(床ずれ)は、皮膚に圧力とずれが加わり発生します。「医療関連機器圧迫創傷」といい、ギブスや酸素マスク等の医療機器が皮膚を圧迫して起こることもあります。当院では圧迫により起こった皮膚障害をすべて褥瘡として扱います。回診には、写真のような外用薬やテープ材を持参し、処置とスキンケアや除圧の指導など、治療と予防を平行して行います。薬剤師の役割は、褥瘡に適した外用薬の選択と使用方法の説明、治療中の薬のチェック等です。

褥瘡対策チーム

栄養サポートチーム(NST:Nutrition Support Team)

NSTとは、入院患者に最良の栄養療法を提供するために、医師、看護師(摂食・嚥下障害認定看護師を含む)、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、言語聴覚士など職種を越えて構成された医療チームのことです。
NSTの活動は、患者さんの栄養状態を評価し、適切な栄養療法を提言・選択・実施することで、栄養状態の改善・治療効果の向上・合併症の予防・QOL(生活の質)の向上・在院日数の短縮などを目的としています。
当院では週1回の回診を行っており、その中でそれぞれの職種が専門的な知識・技術を活かして、栄養状態の改善を検討します。
NSTにおける薬剤師の役割としては、栄養投与経路の検討、静脈・経腸栄養療法における処方支援・設計、薬物療法全体のモニタリングと栄養障害の要因になる薬剤の確認、薬剤と経腸栄養剤・輸液との相互作用・配合変化の回避、下痢等の消化器症状に対する薬剤選択の提案、また栄養摂取の手段としてできる限り経腸・経口から栄養摂取を行い、不必要な静脈栄養を避けるよう提言を行っています。

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栄養サポートチーム(NST:Nutrition Support Team)02

呼吸ケアチーム(RST:Respiratory-care-Support-Team)

一般病棟にて人工呼吸器が装着されている患者さんが、より早期に呼吸器から離脱できるよう支援するために構成されたチームで、現在は医師・看護師・臨床工学士・管理栄養士・理学療法士・薬剤師で活動しています。薬剤師は、対象とされる患者さんに使われている薬(特に呼吸器疾患の薬や抗菌薬の使用法)を薬学的見地からチェックし、チーム内で協議して患者さんの病状に合わせた薬物療法の提案を行っています。

呼吸ケアチーム (RST:Respiratory-care-Support-Team)

糖尿病透析予防診療チーム

当院では月に1回、患者さんやご家族に糖尿病について正しく理解していただく目的で糖尿病教室を開催しています。(4月、8月を除く)
糖尿病教室では月ごとにテーマを決めて、医師、看護師、薬剤師、栄養士など多職種が順番に糖尿病に関する講義を行っています。
薬剤師は年に2回、内服薬とインスリンについて講義をしています。たとえばインスリンをテーマにした回では、薬剤師がインスリンの作用や分類を説明し、さらに看護師が自己注射の使い方の指導を行い1回の講義で幅広い知識を持ちかえってもらえるようなプログラム編成になっています。
また11月は世界糖尿病デーに合わせて、一般の方向けに血糖値測定体験やお薬相談などを開催し糖尿病に関する啓蒙活動を行っています。

一般の方へ

心不全チーム

医師、看護師(慢性心不全認定看護師、精神看護専門看護師)、管理栄養士、理学療法士、臨床工学技士、ソーシャルワーカーおよび薬剤師から構成されたチームです。週に1回カンファレンスおよび回診を行っています。
心不全は様々な原因で悪化します。そのため治療、薬、食事、運動、社会・経済的支援など様々な方向から患者さんをサポートしています。
心不全チームの薬剤師の役割は、入院中から退院後の実際の服薬管理をふまえた患者および家族への服薬指導、患者生活環境に合わせた内服方法(一包化、服用回数等)の提案、対象患者の薬物治療モニタリングおよび薬学的見地からの処方提案などがあります。

心不全チーム(三瓶先生)

帝王切開準備クラス

当院では選択的帝王切開を予定している妊婦さんに対する説明会として、2ヶ月に1度帝王切開準備クラスを実施しています。
そこで産科病棟担当薬剤師が鎮痛薬(硬膜外麻酔薬、坐薬および内服薬)の説明を行っています。

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妊娠・授乳と薬相談外来

妊娠・授乳と薬相談外来では、当院を受診している妊婦さん、または、当院を受診した乳児や1カ月検診で来られる乳児を持つ授乳婦さんを対象に「妊娠とお薬の安全性に対する説明」「授乳婦への治療中における赤ちゃんへの影響の説明」を行っています。
例えば、「薬剤を服用しているが、妊娠希望であり、胎児への影響を知りたい」「妊娠に気が付かず、薬剤を服用してしまい、不安を抱えている」「授乳中に薬剤を服用しながら、母乳をあげらるか知りたい」など不安を持つ女性やご家族に情報提供を行っております。
また、周産期カンファレンスにて女性診療科・産科医師、新生児科医師、薬剤師が参加し、妊婦さん、授乳婦さん、赤ちゃんの状況について協議し、適切な情報提供を行えるよう取り組んでいます。