臨床医学

臨床 (診療) のご案内

 本学の内分泌外科は、1979年、日本医科大学付属第一病院第二外科において「甲状腺外来」という診療名称の専門外来としてスタートしました。1995年に、日本医科大学付属病院に配置転換となり現在に至っています。この間、診療、治療を行った患者さんは1万例を超えております。経験豊富なスタッフが卓越した技術と最新の機器を駆使し、年間300例近くの手術を行っており、この分野の手術症例としてはわが国屈指の施設となっています。どなたも安心して確実で安全な治療を受けることができます。
 疾患に関する概念として癌は、恐ろしいという潜在意識を持たないでください。甲状腺癌の多くは手術で治ります。悪性腫瘍、良性腫瘍は大きさ、進行度によって内視鏡手術が可能です。バセドウ病は状況に応じ最善の治療法を選択します。この疾患も内視鏡手術を行っています。腎・尿管結石、骨痛、精神的不安定は副甲状腺疾患かもしれません。薬で治療効果のない高血圧は副腎疾患かもしれません。患者さんにとって適切で優しい最新の治療を心がけております。気軽に受診してください。

1)対象疾患

内分泌疾患(甲状腺、副甲状腺、副腎)

2)診療内容

①甲状腺 甲状腺疾患では悪性腫瘍、良性腫瘍、バセドウ病、橋本病、亜急性甲状腺炎、急性化膿性甲状腺炎など内科的、外科的甲状腺疾患を幅広く診療しています。可能な限り手術を回避した内科的治療を心がけております。外科的治療が必要な場合は、常に患者さんの術後における生活の質(QOL)を考慮し、美容的観点を重視しつつ、もともとある内分泌機能の温存を心がけて手術に臨んでおります。
甲状腺がんに対する術後成績は極めて良好で、10年生存率は90%をこえています。とくに性質がおとなしく生涯無害に経過する可能性のある微小乳頭癌(検診などで発見される無症候性のもの)に対しては、以下に述べる内視鏡手術のほか、非手術経過観察法も選択肢として採用しています。一方で進行したがんや予後の良くない未分化癌に対しても、拡大切除手術に加え、集学的治療を行っており、最近では分子標的薬などの新薬の治験にも積極的に参加しています。
当科で世界に先駆け1998年に開発した内視鏡補助下頚部手術(VANS法)は、すでに2016年12月現在で800例を超えており、この症例数はわが国では最多です。良性腫瘍やバセドウ病、小さな甲状腺癌が対象となります。女性に多い甲状腺疾患に対する通常手術では、常に露出される前頚部を切開することになりますが、VANS法によれば、頚部に傷をつけることなく、しかも安全、確実に手術が行えます。写真は、当科で行われた甲状腺腫瘍に対する内視鏡手術後の写真です。手術創はほとんど目立たなくなっており、おそらく甲状腺手術を受けた方とは思われないでしょう。

(写真)

②副甲状腺(上皮小体) 副甲状腺疾患は、原発性副甲状腺(上皮小体)機能亢進症(腺腫、癌、過形成)や透析患者さんに多い続発性(腎性)副甲状腺機能亢進症を対象としています。副甲状腺手術では、確実な術前局在診断(エコー、シンチグラフィ)に加え、手術中直ちに副甲状腺ホルモンを測定し手術の成功を確認することができる最先端の技術を導入しています。内視鏡手術のみならず通常の頚部手術でも2~3cmの小切開で済む低侵襲手術を行っております。

③副腎 副腎疾患で手術適応となる対象は、副腎腫瘍(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫、非機能性副腎腫瘍)または両側の過形成です。当院内分泌内科との連携の下、手術適応の患者さんを慎重に選択しております。多くの場合、美容上きわめて満足でき、かつ術後疼痛がほとんどない内視鏡手術を行っています。また副腎手術において重要な術前、術中および術後の全身管理は慎重かつ細心の注意を行い安全な手術を心がけております。

3)外来日(付属病院)

杉谷 巌 : 月曜日 午前・午後、木曜日 午前
五十嵐健人 : 火曜日 午前・午後
岡村律子 : 水曜日 午前
長岡竜太 : 月曜日 午後
軸薗智雄 : 木曜日(第2、4週) 午後(超音波・細胞診)

その他、各病院における活動については、以下のリンクより詳細がご覧になれます。