医師・医療機関のみなさまへ
薬剤部の特徴
当薬剤部では、全ての患者さんが安心して、適正に薬物療法を実施されるよう、お薬にかかわる様々な部門で業務を展開しています。内容は、内服薬調剤、患者さんへの服薬指導、医薬品情報の収集・評価と提供、医薬品管理、院内製剤、注射薬混合調製等多岐に渡っています。それぞれの業務は、患者さんを中心として医師や看護師など他の医療スタッフと連携しており、チーム医療の一員として患者さんに信頼される質の高い安全で安心な医療を提供することを目指しています。また、医療人の育成においては、大学と連携して11週間にわたる薬学部実務実習生を年に3回受入れており、医療の高度化に対応した薬剤師の育成にも力を注いでいます。
薬剤部組織図
当部のおもな業務内容
業務内容
- 内服調剤
当院では電子カルテを取り入れており、医師が処方した内容を薬剤師がチェックし調剤しています。処方せんに従い正確に調剤するだけでなく、投与量、投与方法、副作用、相互作用などの確認を行い、払い出しています。
- 製剤業務
医師の要望にこたえ患者さまに合った治療を実施するため、吸入剤、点眼薬、軟膏剤など特殊な製剤を安全性に配慮し、調製しています。
製剤業務は、患者さん一人ひとりの状態に合わせた医薬品の調製を行う専門的な業務です。市販の医薬品が患者さんに適さない場合、薬剤師は医師の処方に基づき、患者さんの年齢、体重、症状などを考慮した特殊製剤を調製します。当院では、無菌製剤室や抗がん剤調製室を備え、高度な技術と知識を持った薬剤師が安全かつ的確に製剤を調製しています。
主な製剤業務として、特殊な外用剤・内用液の調製などがあり、GMP(医薬品の製造管理および品質管理に関する基準)に準じた品質管理を徹底し、安全で有効な医薬品を提供することで、患者さん中心の医療実現に貢献しています。
- 注射薬調剤
直接体内に投与されるため、安全に投与されなければならず、そのため薬剤師により注射処方せんに基づき患者さんひとりごとの取り揃え、処方内容をチェックしリスク事故の防止努めています。また外来化学療法(輸液療法室)においても事故防止など安全性を考慮し薬剤師が無菌的に混合し、服薬指導を実施しています。
- 薬品管理
病院内の全医薬品の購入、在庫、品質等を管理し、品質が確保された医薬品を安定供給しています。
- 薬剤管理指導業務(病棟業務)
(上記写真はイメージです)
薬剤管理指導業務は、入院患者さんに対して行う薬学的ケアの中核となる業務です。病棟担当薬剤師は、患者さんの入院時から退院後までの薬物療法に関わり、医薬品の適正使用と安全確保を目指します。各病棟に薬剤師を配置した上で、入院患者さまに対し内服、注射薬の薬剤指導を実施し、患者さまの薬に対する理解度及び服用遵守率の向上に貢献しています。具体的には、持参薬の確認・鑑別、処方監査、薬歴管理、服薬指導、副作用モニタリング、薬物血中濃度モニタリング(TDM)などを実施しています。
当院では、各診療科に専任薬剤師を配置し、チーム医療の一員として医師や看護師と連携しながら患者さんの治療に参画しています。また、ACT(感染対策チーム)、NST(栄養サポートチーム)、緩和ケアチーム、褥瘡対策チームなどの多職種チームにも積極的に参加し、専門的知識を活かした活動を行っています。薬剤師は病棟カンファレンスや回診に同行し、処方設計支援や薬物療法の提案も行います。
近年では、ポリファーマシー(多剤併用)対策や、退院時の薬薬連携(病院-保険薬局間の情報共有)にも力を入れ、シームレスな薬学的管理の実現に取り組んでいます。入院中から退院後の生活を見据えた服薬指導と情報提供により、患者さんのアドヒアランス(服薬遵守)向上と治療効果の最大化を目指しています。
- 医薬品情報
医薬品情報(Drug Information: DI)業務は、医薬品の適正使用を推進するための情報管理・提供業務です。日々進化する医療現場において、薬剤師はDI業務を通じて最新の医薬品情報を収集・評価し、医師や看護師などの医療スタッフに提供しています。具体的には、医薬品の用法・用量、副作用、相互作用などの情報を文献やデータベースから精査し、エビデンスに基づいた情報を提供します。
当院のDI室では、薬事委員会や感染対策チームなどの院内委員会への参画、院内採用医薬品集の作成・管理、医薬品安全性情報(DSU)の伝達、プレアボイド報告の収集・分析なども行っています。さらに、新規採用医薬品の情報提供や後発医薬品の品質評価なども重要な業務です。近年では、臨床研究や治験における医薬品情報の提供・管理も担当し、チーム医療の一員として薬物療法の質向上に貢献しています。
- 研究、その他
診療科、薬科大学との共同で患者さんの治療向上、Quality of life(生活の質)向上を目的とし研究を行っています。また、薬学部5年次の研修病院とし病院実務実習を実施し、これからの薬剤師の教育の一端を担っています。
- 治験事務局
新しい「薬」を開発するためには、「薬の候補物質」について動物で効果や毒性を調べるだけでなく、人での効き目(有効性)や副作用(安全性)を確認する必要があります。人手の有効性や安全性について調べる試験を一般に「臨床試験」と呼んでいます。また、厚生労働省から「薬」として承認を受けるために行う臨床試験のことを「治験」と呼んでいます。
治験事務局とは、治験を実施する医療機関(実施施設)において治験全般の窓口となる部署のことをいいます。治験審査委員会の事務局や各種の記録の管理など治験の事務的な業務を引き受けます。
- 治験依頼者の方へ
各種申請書類、標準手順書、IRB議事録概要等の閲覧等をご希望の方は下記までご連絡ください。
日本医科大学多摩永山病院 薬剤部
治験事務局 042-371-2111(内線2240) E-mail:nagayama-chiken_center@nms.ac.jp