「克己殉公」と災害対応 -日本医科大学の取組み-

日本医科大学救急医学教室は1974年に創設され、半世紀近い歴史を有しています。1993年には、付属病院救命救急センターが日本で初めての「高度救命救急センター」の認定を受け、日本の救急医療のリーダーとしての役割を果たしてきました。また、私たちは災害医療においても多くの経験を積んでおり、国内外のさまざまな自然災害や人為災害に医療支援を提供してきました。国際緊急援助隊医療チーム(JMTDR)や日本DMAT(Disaster Medical Assistance Team)の創設に深く関与してきたことも、私たちの誇りの一つです。

私たちの使命は、突発的に発生する患者さんの緊急事態に迅速に対応し、一人ひとりの命を尊重することです。これは通常の医療だけでなく、災害医療においても同じです。日々の臨床経験によって培われた医療対応の迅速さやチームワークは、災害医療にも生かされるものです。

被災者の苦境に立ち向かう活動は、まさに日本医科大学の学是である「克己殉公(己に克ち、広く人々のために尽くす)」の精神を体現していると言えます。「すべては病める人のために」という献身と利他の精神は、日本医科大学の職員全員に共有されています。

令和6年能登半島地震医療支援

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令和6年1月1日(月)16時10分、石川県能登半島で深さ16kmを震源として発生した令和6年能登半島地震では、発災直後より各病院が情報収集や派遣に備えた準備を開始しました。様々な災害派遣チームの要請に応じる中で、それぞれが得意分野を活かし役割を果たしながら被災地への医療支援を行いました。

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 学校法人日本医科大学広報 563号
 One Health3月号(2024年3月発行)

 令和6年能登半島地震医療支援 活動報告 (PDF:2278KB)

トルコ・シリア地震医療支援

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2023年2月6日(月)現地時間午前4時17分、トルコ南東部のシリアとの国境付近を震源とするM7.8の地震とその余震により、トルコ・シリア合わせて死者5万人、負傷者10万人、被災者200万人が発生する大震災となりました。

トルコ共和国政府からの要請に基づき、日本政府はJICA国際緊急援助隊の派遣を決定。2月10日には、救助チーム派遣に続き、医療チームの派遣が決定されました。

日本医科大学からは、EMTCC(緊急医療チーム調整本部)、JICA国際緊急援助隊医療チーム(一次隊、二次隊)だけでなく、NGO団体HuMA等で医療従事者が支援に参加。夜には氷点下まで気温が下がる厳しい寒さの中、被災地全体の医療チームの統制や野外病院での診察等、被災者に対して医療活動を行いました。

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 学校法人日本医科大学広報 558号
 One Health5月号(2023年5月発行)

 トルコ・シリア地震医療支援 活動報告 (PDF:386KB)