News

News

2026.10.07 トピックス
#研究情報#医学部#プレスリリース

腎細胞がんの多くを占める「淡明細胞型」ではCTDNEP1高発現が予後不良と関連~組織型に応じた予後評価の指標となる可能性~

2026年10月7日
東京理科大学
日本医科大学

要旨

東京理科大学 薬学部 生命創薬科学科の早田 匡芳教授、同大学大学院 薬学研究科薬科学専攻の新居真由香氏(博士後期課程3年)、および日本医科大学医学部医学科の太田 一隆氏(研究実施時、医学部3年生)は、脱リン酸化酵素CTDNEP1の発現と腎細胞がん患者の予後との関連について、大規模ながんゲノム・臨床データの収集と解析に取り組み、CTDNEP1の発現と予後との関連のあり方が、がんの組織型によって異なることを明らかにしました。
太田氏は、日本医科大学医学部のカリキュラム「科学的探究 3」の一環として東京理科大学薬学部早田研究室に配属され、本研究を実施しました。東京理科大学大学院薬学研究科の新居氏とともに、大規模ながんゲノム・臨床データの収集と解析に取り組みました。
研究グループは先に、CTDNEP1の低発現がすい臓がんの予後不良と関連することを報告しています。しかし、他のがん種におけるCTDNEP1の発現や臨床的な意味については、十分に明らかになっていませんでした。
本研究では、腎細胞がんの主要な組織型である淡明細胞型腎細胞がんと乳頭状腎細胞がんを対象として、米国の大規模がんゲノム研究プロジェクトThe Cancer Genome Atlas(TCGA)の遺伝子発現データと臨床情報を解析しました。その結果、淡明細胞型腎細胞がんでは、CTDNEP1高発現群は低発現群と比べて、全生存期間、疾患特異的生存期間および無増悪期間が短いことが示されました。この関連は、年齢、性別および病期を考慮した統計解析でも維持されました。また、病期ごとに患者を分けた解析では、ステージIIIの患者で特に明確な差が認められました。一方、乳頭状腎細胞がんでは、CTDNEP1発現と患者予後との間に一貫した関連は認められませんでした。これらの結果から、CTDNEP1は淡明細胞型腎細胞がんの予後バイオマーカーの候補となる可能性が示されました。


※本研究成果は、2026年10月1日に国際学術誌「Anticancer Research」にオンライン掲載されました。


本成果は、本学医学部の学部教育課程に組み込まれた「科学的探究3」を通じ、学生が早期から第一線の研究現場に参画し、国際的な研究成果の創出に貢献できることを実証しています。本学は今後も、学生が学外の研究機関と連携し、実践的な研究経験を積める教育機会の充実に努めてまいります。


プレスリリース全文(PDF)