日本医科大学血液内科学教室では、
・患者さんが安心できる心のこもった医療
・直感とイマジネーションを基に社会に貢献する研究
・愛と探究心を持った血液内科医の育成
を理念として掲げ、日々の診療・研究・教育に取り組んでいます。
1.
臨床研究
当教室では、成人白血病治療共同研究機構(JALSG)や西日本血液疾患臨床研究グループ(W-JHS)において、新規治療開発を目的とした臨床試験を行っているほか、日本造血・免疫細胞療法学会のワーキンググループにおいて造血幹細胞移植に関する疫学研究にも参加しています。また、多くの企業治験にも参画しており、都内でも有数の新規薬剤開発に貢献する治験施設の一つとなっています。
2. トランスレーショナルリサーチ
急性骨髄性白血病(AML)における遺伝子変異の臨床的意義を明らかにするため、約3,000例以上の詳細な臨床情報が付与された白血病検体を保存し、「Gene-sequencing
program for Japanese
AML(GS-JAML)」として解析を進めています。次世代シークエンサーを用いた遺伝子変異解析により、多くの成果を発表しており、近年ではCEBPAのbZIP領域変異の意義に関する研究(Blood Adv.
2022;6(1):238-247)が、欧州白血病ネットワーク(ELN)のAML診療ガイドラインにも引用されました。
今後は、治療反応性を高感度で評価する微小残存病変(MRD)の解析手法の開発や、初発・再発時のペア検体によるゲノム解析を通じて、AML
の再発・難治化の病態解明および新規創薬の基盤構築を目指します。
骨髄不全症に関する研究では、先天性角化不全症の診断に資する高感度かつ少数細胞で測定可能な新規テロメア長解析技術の開発を行っているほか、テロメア制御遺伝子変異の病態への関与と新規治療法の開発に取り組んでいます。
また、「老化」の本質に迫るべく、バイオバンク・ジャパンと連携し、新たなバイオバンクを構築しています。日本医科大学グループから登録された51,370例に対しては、SNPアレイおよび連鎖解析により疾患関連
SNP を同定し、疾患コホート研究を推進しています。現在も 4 つの日本医科大学グループの病院に通院中の約 13,000
名の方々については、経時的な検体採取を目的とした再収集を行っており(橘桜プロジェクト)、これらのペア検体を用いて全エクソン解析などを実施し、体細胞モザイクや白血病発症に関するゲノム疫学研究を展開しています。
内科学(血液内科学) / 血液内科学
大学院教授 山口 博樹