日本医科大学乳腺外科学教室では、日常臨床の場で生じたClinical questionを大切にし、研究を行うようにしています。臨床的研究としては、乳癌は診断から治療、終末期医療までと幅広く、特に治療においては外科的手術療法から内科的薬物療法までさまざまな領域が研究の対象となります。また基礎的研究としても、薬物療法の作用機序、耐性機序、転移形成機序など、多くの課題が研究の対象となります。外科専門医、さらに乳腺専門医の取得は大きな目標の1つでありますが、それと並行してこれらの研究を行い、大学院に進学することも可能です。

 大学院乳腺外科学分野に入学し、臨床、基礎、または両者に関わる研究に携わり、医学博士号を取得することのほか、また2-3年の海外留学や国内留学により、臨床および基礎的研究に専念することも奨励しています。海外留学先として、米国ノースウエスタン大学やイエール大学、イリノイ大学、国内留学先として、がん研有明病院、埼玉県立がんセンターがあります。希望があればその他の機関への留学も可能と考えています。
 他施設にて、専修医としての修練が終了している方、また、乳腺専門医をすでに取得している方にとりましても、大学院進学、留学にて、ある期間、研究に没頭する機会を得ることは、医師としてのキャリア形成に非常に重要であると考えます。