緩和ケアチーム

緩和ケアとは

女性の約50%、男性は約65%は一生のうちに何らかのがんになるといわれています。このように身近になったがん。
がん患者さんは、痛み、倦怠感などのさまざまな身体的症状や、落ち込み、悲しみなどの精神的な苦痛を経験します。
緩和ケアとは命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族のQOLを、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価を行い対応することで、苦痛を予防し和らげる事を通して向上させるアプローチであると定義されています。

「生活のしやすさに関する質問票」を導入して、診断時から定期的にがん患者さまの苦痛の把握に努め、適切で必要な緩和ケアの提供が行えるよう取り組んでおります。

緩和ケアチーム1


当院の緩和ケアチーム

当院の緩和ケアチームは、がん看護専門看護師、身体症状担当医師(呼吸器内科)、精神症状担当医師、放射線治療医、緩和薬物療法認定薬剤師、がん病態栄養専門管理栄養士で構成されています。
週に1度カンファレンスと回診を行っています。
緩和ケア外来は、毎週月曜日午前中に行っています。
緩和ケアチームは、現在治療を受けている診療科の医師等と連携して、症状の緩和や心身のサポートを中心に、患者さんとご家族などの負担の軽減を目指した医療を提携しています。

緩和ケアチーム2


アドバンス・ケア・プランニング(advance care planning:ACP)とは、将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて患者さんを主体に、そのご家族や近しい人、医療・ケアチームが繰り返し話し合いを行い、患者さんの意思決定を支援するプロセスです。
ACP啓発活動として、院内にACPポスターの掲示、もしもの時のための手帳の配布や配架等とのACPを含めた意思決定支援を提供できる体制の取り組みを行っております。

2025年7月より、医師、看護師、薬剤師により、入院患者さんご自身で内服薬管理が可能であると判断された場合に、苦痛症状を速やかに緩和するため医療用麻薬のレスキュー1回分(以下レスキューとする)を患者さんご自身で管理を行っていただく取り組みを行っております。
さらに、がん性疼痛やがんによる症状に対し医療用麻薬を内服している入院患者さん全例、緩和ケアチームが介入しております。
また、がん患者さんだけではなく、慢性腎不全で透析治療を受けている患者さんなど非がん患者さんも受け入れております。

緩和ケアは、病気と診断された時から受けることのできる医療です。
緩和ケアチームは身体や心のつらさを和らげ、患者さんが希望する治療を受け続けることや、その人らしさを大切にした生活を送れるように支援する専門チームです。
「緩和ケアチームの話を聞いてみたい」
「緩和ケア外来に受診してみたい」
等がありましたら主治医や看護師にお伝えください。

実績
  • 2023年度新規介入患者件数:52件
  • 2024年度新規介入患者件数:55件
  • がんによる症状に対しての神経ブロック実施件数
    2023年度:0件   2024年度:14件
    (現在当院では神経ブロックは行っておりません。近医や希望する病院へ紹介しております)