希少がん
「希少がん(rare cancer)」とは、発症頻度が低いがんのことを指します。発症がまれなため、診断や治療に難渋しやすく、エビデンスが乏しいことが多いのが特徴です。
・年間罹患率が、人口10万人あたり6例未満または、年間患者数が2万人未満のがん
・200種類近い希少がんがある
代表的な希少がんの例
当院での取り組み
●当院では、希少がんに対しては、腫瘍内科、外科、放射線治療科、がん看護専門看護師、緩和ケア認定看護師、がん化学療法看護認定看護師、医療ソーシャルワーカー、遺伝カウンセラーなどがチームとなり、患者さんを支えています。必要に応じて、カンファレンス(キャンサーボード症例検討会)で、対応方針などを皆で話し合っています。
●希少がんに対する診療フロー
初診診療→対応臓器専門科→(必要に応じて)キャンサーボード症例検討会→手術可能→臓器専門外科対応→手術不可能→腫瘍内科または、放射線治療科対応
希少がんの薬物療法の考え方
●希少がんであるため、エビデンスは不十分なことが多い
●第三相試験はほとんどなく、第二相試験の結果を参考にする
●特徴的な分子標的薬が適応になる希少がんが存在
●特徴的なドライバー遺伝子変異を有するがん
・遺伝子パネル検査(CGP:包括的ゲノムプロファイリング)による
・希少がんは、標準治療が存在するものが少ないため、遺伝子パネル検査は重要な検査になる(がんゲノム医療)