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形成外科

血管腫(あかあざ)のやさしい解説

血管腫(赤あざ)とは

 一般的な赤あざは、医学的には「血管腫(血管奇形)」と呼ばれる血管の異常で、血管が拡張したり増殖したりすることによってできる良性腫瘍です。生来ある赤あざには大きく分けて、出生時から大きさの変わらない「血管奇形(vascular malformation;VM)」とどんどん大きくなる「血管腫(hemangioma)」の2種類があります。血管奇形は血管内皮細胞の増殖を伴わない形成異常によるもので、自然消退しません。
 ここでは血管奇形の中の代表的な疾患である「単純性血管腫」と、血管腫の代表的な疾患である「乳児血管腫」について特にご説明します。

単純性血管腫(平坦な赤あざ)

 生まれつきある、平坦な赤いあざです。原則として、大人になっても自然に消えることがありません。加齢によって褐色になる場合もありますが、場合によっては色が濃くなったり、腫瘤を作ったりする場合もあります。また、成長とともに体が大きくなるのに比例してあざの面積も拡大します。治療としては、早期のレーザー治療や冷凍療法、放射線療法などがありますが、現在は副作用の少ないレーザー療法が主流になっています。
 特殊な例としては、自然に消失することがあるもの(サーモンパッチ)や、からだの他の部分にも症状を持つ症候群(Sturge-Weber症候群など)の一部である場合などがあります。特に顔にある血管腫の場合、眼や脳に同様の血管腫がある場合があるため、CTMRIなどの検査で合併症を調べる場合があります。
単純性血管腫

乳児血管腫(いちご状の赤あざ)

  •  生まれて数日〜数週間後から徐々に出現する、皮膚から盛り上がるタイプの赤あざです。出現後は数カ月かけて急に大きくなるので、心配される親御さんが多い疾患です。赤あざは6〜12ヶ月かけて大きさのピークを迎え、その後5〜10歳で自然消退すると言われています。大きさは、数ミリの小さなものから、にぎりこぶし以上ほどの大きなものまであります。発生部位も様々で、頭の毛の中にできるものもあれば、おなかにできるものもあります。
     治療しなくても自然に赤みが引くことから、以前は特に治療を行わず経過観察のみを行うことが多かった疾患です。しかし近年は、自然消退後のたるみやしわが整容的に良くないため、早期に治療を開始することが多くなってきています。ピーク時にかなりサイズが大きくなると、そのときに伸びた皮膚が縮みきらず盛り上がりだけが残ってしまうため、早期のレーザー治療が血管腫の大きさのピークをおさえてくれるからです。乳児血管腫

 乳児血管腫2

乳児血管腫3

治療法

  •  大きく分けてレーザー照射、薬物治療、その他の治療(外科的切除、硬化療法など)に分かれます。

  • レーザー照射

     色素レーザーと呼ばれるレーザーが有効です。このレーザーは血液内に含まれるヘモグロビンを標的としており、皮膚を透過して血管を選択的に破壊します。
     一回の照射で血管腫が消えるわけではなく、徐々に色調を薄くしていく治療と考えてください。3ヶ月ほど間隔をあけながら、5〜15回程度の照射で治療していきます。照射時にはゴムで弾かれたような痛みを伴いますので、貼り薬・塗り薬・場合によっては全身麻酔などの麻酔を使用して行います。
     特に血管腫の場合には患者さんがお子さんのことが多いので、面積やご年齢に合わせて一人ひとり適切な麻酔を選択することが重要です。開始時期は、成長とともに血管腫の面積も増えたり、皮膚が薄い時の方が効果は高いことから、なるべく早くから開始することが望ましいと考えております。

     単純性血管腫、乳児血管腫、毛細血管拡張症の場合には保険診療が適応となります。市町村によっては、ご年齢・保護者の所得に応じて※乳幼児医療費補助が適応となることがあります。 

    ※小児医療費助成事業(川崎市・横浜市の場合);小学校6年生まで
    ※子ども医療費助成制度(世田谷区・目黒区);15歳まで
    ※児童医療費助成制度(大田区);15歳まで単純性血管腫4

    • 内服薬

       2016年にヘマンジオルシロップR(maruho)が保険適応となりました。レーザー照射だけでは増殖速度が抑えられないほど大きな乳児血管腫や、レーザーが届かないほど深部の血管腫には特に良い適応と考えられます。ヘマンジオルはもともと成人心臓疾患の治療に用いられていたβブロッカー(プロプラノロール)を有効成分とする薬剤で、2008年にフランスで偶然その有効性が発見され、2014年にアメリカ、ヨーロッパで臨床使用が可能となったまだ新しい薬剤です。
       その効果が期待される薬剤ではありますが、もともと心疾患治療に使われていたことからもわかるように、心血管系に作用し、低血圧などの副作用もありうるお薬です。お子さんに対しては適正な使用量を使用しますが、念のため使用開始前に心電図検査などの検査を行い、小児科の診察を並行して行いながら安全に使用していきます。

      • その他の治療法

         特に乳児血管腫の場合には、赤みが引いたあとも皮膚の盛り上がりが残存することがあります。この盛り上がりは自然に改善することはありませんので、手術で切除することがあります。
         また深部の血管腫(静脈奇形など)の場合には深すぎてレーザーが届かず、効果が期待できませんので、切除する手術や血管内に特殊な薬を注入して血管を潰す硬化療法と呼ばれる治療法が選択されることがあります。

          血管腫の診断及び治療法の選択には、まず形成外科医、皮膚科医の診察が必要です。治療すべき状態なのかどうか、治療にはどのようなリスクが伴うのか、治療しなければどうなるのかなど、ご相談だけでも可能です。どうぞお気軽にお尋ねください。

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