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形成外科

耳瘻孔(じろうこう)と手術と

先天性耳瘻孔とは

先天性耳瘻孔1 先天性耳瘻孔とは、耳の生え際に小さな穴のことです。外観は小さな穴ですが、皮下に管腔構造が埋まっています。耳の前から臭いにおいがして受診する場合がありますが、管腔構造にたまった角質成分などや、それが感染したものが発する臭いです。
 耳は、胎児期に将来耳になる組織が複数癒合することで発生しますが、一部癒合不全が起こると耳瘻孔ができます。東洋人の発生率は3〜10%と比較的多く、家族内発生や遺伝的傾向があるという報告もあります。発生部位は耳前部と耳輪前部に多く、合わせて約80%ですが、耳輪部、耳垂部、耳後部にできることもあります。通常瘻管は外耳道方向に向かって1-2cmで盲端となって終わります。まれに軟骨を貫くものもあります。

(徳山英二郎ら, 2010、田中彩ら, 2018、和田尚子ら, 2014、平出文久, 1984)


先天性耳瘻孔2

先天性耳瘻孔の症状

 通常は無症状で、白色の分泌物(垢や皮脂腺分泌液)が出ることがあります。皮下に埋まった管腔構造には垢などが溜まるため、そこに菌が付着すると感染する恐れがあります。感染を起こすと、発赤、腫脹、熱感、疼痛、排膿を認めます。感染の遷延や繰り返しが起こると、自壊して本来の開口部と別の部位に二次性の開口部を作ったり、瘻管が分岐したりします。

治療方法

  1. 感染時:感染を落ち着ける治療
     抗生剤、鎮痛剤の内服をします。膿が出る場合は、局所麻酔をした後に切開し、膿を出すことがあります。
  2. 根治術:手術による摘出
     根治的には手術で瘻管を完全に摘出する必要があります。ただし、生来無症状の場合は手術の必要はありません。感染歴がある場合、今後も感染を繰り返す可能性があるため、摘出すべきです。急性期は炎症の広がりによって管がはっきりわからなかったり、感染が悪化したりする可能性があるため、手術は感染が落ち着いて数ヶ月待ってから行います。
     耳瘻孔は通常、耳の軟骨手前で盲端となって終わりますが、まれに軟骨を貫くこともあるので、取り残しなく手術するために全身麻酔の手術をお勧めします。手術では、細い管(ブジー)や特殊な染色液で瘻管の走行を確認しながら摘出します。傷は丁寧に縫合し、抜糸は術後1週間程度で行います。術後3ヶ月までテーピングを続けることで、傷の幅が広がるのを防ぎ、色素沈着を予防します。術後は炎症が強いため、半年までは赤みや硬さを認めますが、1年ほどで創部が落ち着きます。
     再発率は0〜42%との報告がありますが、これは感染の反復や、瘻管の複雑な走行により、瘻管成分が取りきれずに残ってしまうためだと考えられます。再発率を下げ、安全に手術を行うためにも、既感染の場合は早めにご相談ください。

先天性耳瘻孔3

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