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形成外科

陥没乳頭(陥没乳首)の手術

陥没乳頭の悩み

 陥没乳頭とは、イラストのように乳頭が凹んだり平坦な状態のことをいいます。「乳頭が凹んでいる」「乳頭の先端がくぼんでいる」「乳首が平坦」「溝にカスが溜まって手入れが困難」の訴えで受診されることが多いです。
 指などによる刺激で出るものを『仮性』、搾乳器などで強い刺激を与えても外に出ないものを『真性』と呼びます。

陥没乳頭1

疫学と原因

 女性の10-20%が陥没乳頭を持って生まれており、授乳するまでは無症状なことが多いです。先天性の50%ほどが家族性と言われています。先天性陥没乳頭は、主に、ご本人が思春期に近づくにつれて自覚または他覚されます。思春期前の方では、成長と共に自然軽快しトラブルを起こすことが少ないので、通常、思春期または青年期まで経過観察されます。思春期以降も症状が持続する場合には、出産後の母乳育児、または整容上の理由で矯正を希望される方が増えてきます。
 原因は、母乳をつくる乳腺という組織と、つくられた母乳が通る乳管という管の発達のアンバランスさにあると言われています。また、線維状の索状物が短縮して乳頭を下方へ引っ張ることでも起こります。こうした良性の先天性の病因とは別に、思春期または二次性徴後に、乳房のたるみ、打撲による脂肪壊死、乳腺炎、突然の体重減少、乳房に対する外科的処置、そして乳がんなどでも陥没乳頭の症状を認めることがあります。
 乳がんなどの悪性腫瘍による陥没乳頭は、乳管への悪性細胞の浸潤によって起こります。一般的に、乳頭分泌(漿液性/血性)、乳頭びらん、乳房のしこりを伴うことが多く、こうした場合は手術による乳頭の矯正は禁忌であり、がんの診断を遅らせる可能性があります。乳腺炎後の瘢痕や打撲による脂肪壊死などの硬結も、悪性腫瘍のしこりと似ていることがありますが、そういった場合は乳頭分泌を引き起こすことは少ないので、乳がんとの鑑別の助けとなります。
 当院では乳腺外科と綿密に連携しており、必要な方にはマンモグラフィ、超音波、乳管内視鏡などのがんの検査を受けていただきます。

鑑別診断

 後天性の陥没乳頭の症例では、鑑別診断が特に重要です。後天性の原因の主な鑑別診断としては、乳がん、乳房パジェット病、乳管内乳頭腫、乳管腺腫、乳頭部腺腫(乳輪下乳管乳頭腫症)などが挙げられます。陥没乳頭に乳房のびらん、紅斑、湿疹、血性乳頭分泌物、触知可能な乳頭下腫瘤などの症状を伴った場合には、上記の様な疾患の可能性を検討します。その他の良性の原因としては、手術後の変化、脂肪壊死、線維嚢胞性疾患およびモンドール病などが挙げられます。

当院での治療

 陥没乳頭の先天性および良性の原因は、保存的または外科的に治療できます。指でつまみ出すと簡単に乳頭が出てくる軽度のものは、吸引機などでの保存的治療で治ることがあります。当院では、保存的治療を数ヶ月続けても乳頭が出ない方や、重度の方を対象に基本的には切開法による手術で治療を行います。術式は乳頭の状態によって個々に相談していきますが、乳管を傷めないように配慮しながら陥没の原因となっている索状物などを除去していきます。(イラストは「酒井Ⅰ法」)術後は、再陥凹の予防のためにニップルシールド(乳頭保護器)やガーゼ、パッドなどによる保護を続けていただく場合があります。陥没乳頭2

手術の保険適応条件

 40歳未満で、今後授乳の予定がある方は健康保険が適用されます。それ以外にも、陥没乳頭が原因と思われる乳輪下膿瘍を繰り返している場合など、健康保険が適用となる場合がございますので、まずは担当医にご相談ください。両側を同時に行った場合、費用はおよそ5万円ほどです(3割負担時)。

術後について

 傷跡は通常3—6ヶ月ほどで赤みが落ち着き目立たなくなりますが、完全に消えてしまうことはありません。元々の乳頭の色が濃い方は白っぽい傷跡がやや目立つことがあります。
 再陥凹の予防の保護を続けていても、傷の感染や元々の陥没の程度によっては元に近い状態に戻ってしまうことがあります。その場合には再手術も検討しますが、手術を繰り返すことで乳管を傷つけ授乳機能を損なう可能性も高くなりますので、慎重に相談していきます。

 ※受診希望の患者さんは、乳房再建外来の初診をご予約ください。

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